役所広司が男優賞を受賞 『怪物』は脚本賞受賞 『第76回カンヌ国際映画祭』で是枝監督も喜び語る
2023.5.28 11:30役所広司が第76回カンヌ国際映画祭にて、ドイツのヴィム・ヴェンダース監督の作品『PERFECT DAYS』の演技で、男優賞を受賞した。また、『怪物』の脚本を手掛けた坂元裕二が脚本賞を受賞。『怪物』は性的マイノリティなどを扱った映画に与えられるクィア・パルム賞を受賞。是枝監督も喜びを伝えた。
日本人の俳優が男優賞を受賞するのは2004年の是枝裕和監督作『誰も知らない』の柳楽優弥以来、19年ぶり2人目。
脚本賞を受賞後、現地メディアの中継で是枝監督は、すぐに坂元裕二に報告したところ、坂元から「夢かと思った」と返事がきて、そのあと続けて「たった一人の孤独な人のために書きました。それが評価されて感無量です」と喜びを寄せたことを伝えた。
カンヌ国際映画祭において日本映画の脚本賞の受賞は、2021年の第74回カンヌ国際映画祭にて濱口竜介監督の『ドライブ・マイ・カー』が受賞して以来2年振りとなる。
是枝監督が壇上で「僕がこの脚本の基になったプロットを頂いたのが2018年の12月なので、もう4年半前になります。そこに描かれた2人の少年たちの姿をどのように映像にするか、少年2人を受け入れない世界にいる大人の1人として、自分自身が少年の目に見返される、そういう存在でしかこの作品に関わる誠実なスタンスというのを見つけられませんでした。なので、頂いた脚本の1ページ目に、それだけは僕の言葉なんですけども、『世界は、生まれ変われるか』という1行を書きました。常に、自分にそのことを問いながら、この作品に関わりました。一緒に脚本を開発した川村さん、山田さん、作品に関わっていただいたスタッフ、キャストの皆さん、みんなの力でこの賞を頂けたと思っております。ありがとうございました」とスピーチした。
<坂元裕二>
19歳で第1回フジテレビヤングシナリオ大賞を受賞しデビュー。『わたしたちの教科書』第26回向田邦子賞。『それでも、生きてゆく』芸術選奨新人賞。『最高の離婚』日本民間放送連盟賞最優秀賞。『Mother』第19回橋田賞。『Woman』日本民間放送連盟賞最優秀賞。『カルテット』で芸術選奨文部科学大臣賞受賞など多くの賞を受賞している。