皆藤空良に単独取材「ラブストーリーでヒロインにフラれる役を演じたい」
2023.8.9 07:00【 エンタメの未来を彩る光をキャッチ! シリーズ「未来予知」 】
2022年3月に次世代俳優発掘オーディション「ホリプロ☆ネクスト」ファイナリストに残り、芸能界デビューを果たした皆藤空良(かいとうそら)。デビューから1年あまりでバラエティ番組、舞台、連続ドラマレギュラー出演と次々に仕事が決まり、新しい挑戦を続けている。サッカーに打ち込んできた学生時代からデビューのきっかけ、それぞれの現場で感じたことや目指す俳優像など、飾らない言葉で語った。
■ジュノンボーイコンテストに挑戦したことが俳優を目指すきっかけに
――「ホリプロ☆ネクスト」のオーディションがデビューのきっかけとなりました。応募の動機は何でしたか?
皆藤 ホリプロのコンテストを受ける前に、第34回ジュノンボーイコンテストも受けていたんです。 それを応募したのは自分ではなく、母親と、その友達の娘さんなんです。よくある話ですけど、僕に内緒で。コンテストを受ける前は芸能界に入りたいとか思っていなかったのですが、オーディション回数を重ねながら勉強のため映画やドラマを観るうち、僕もここに立ちたい、演技をしたいと考えるようになりました。ジュノンボーイはベスト35の段階で落ちてしまったんですけれども、やっぱり俳優に挑戦したいと他のオーディションを探す中で「ホリプロ☆ネクスト」を見つけて応募しました。
■ハードな部活とオーディションの両立が大変だった
――「ホリプロ☆ネクスト」には5,000人以上の応募があったそうですね。ファイナリストに残るまでの過程で、印象深かった出来事を教えてください。
皆藤 セミファイナルから合宿審査が始まって、そこで初めて同じオーディションを受けているメンバーと会ったんです。ここからファイナルに生き残れるか、というライバル関係だから、みんなバチバチしているのかなと思っていたんですが、お互いに課題を持ち寄って「こうした方がいい」「ああした方がいい」と切磋琢磨(せっさたくま)していくような、戦友みたいな関係性になれたのが良い思い出です。
一番大変だったのは配信審査です。当時高校3年生で、僕はずっとサッカーに打ち込んでいて高校もサッカーに力を入れている学校だったので、夜遅く7時くらいまで部活をしていたんです。自転車通学で30〜40分かけて学校まで通っていたので、帰ってきたら8時近く。できる限り多く配信したかったので、帰宅したら真っ先に配信を始めて、晩ごはんを食べて配信して、休憩してお風呂に入って配信して…。当時朝練もあったので深夜の配信は難しく、夜中12時か1時くらいには寝て、翌朝5時に起きて朝練に行く、という生活でした。ですので当時の僕はかなりやつれていたかもしれません(笑)。
――サッカーは長く打ち込んでこられたのですか?
皆藤 幼稚園の年中から高校3年生までずっと続けていました。今でも社会人サッカーに参加して、続けるようにしています。
■休みの日は一歩も外に出ません
――どんなお子さんだったのですか?
皆藤 小学生の頃は外遊びが好きで、学校から帰ったらすぐに外に遊びに出ていました。友達と鬼ごっこをしたり木登りをしたりして活発だったので、ケガも多かったです。でも、絵を描いたり工作も好きだったので、自分の部屋にこもって集中して何かをつくったり、マンガを読んだりという時間もありました。今は完璧にインドアです(笑)。休みの日は一歩も外に出ません!
■『踊る!さんま御殿!!』でトークのスピード感にあぜん
――芸能デビュー後1カ月半で『踊る!さんま御殿!!』に出演されました。バラエティの現場はいかがでしたか?
皆藤 いやもう、すごいの一言です。テレビを観ている時はテロップなどを頼りに、誰が発言して、それを誰が拾っているのかもわかりやすく見ていたのが、いざ出演すると何も見えなくて手探りで、スピード感に驚きました。皆さん、雰囲気や場の流れを見てパッと言ってワッとウケているのを目の当たりにしてすごいなと。僕も何とか爪痕を残さないと、と頑張りました。
――明石家さんまさんの話術はいかがでしたか?
皆藤 さんまさんがスタジオに入って来られて、「はいお願いしまーす」と言ったと思ったらもう始まっていて驚きでした。さんまさんが何となく話を振ったのを、芸人さんたちがバッとつかんで返すのを見て、そのタイミングの絶妙さに感心していました。さんまさんがけっこう動き回ったりしゃがんだり、一か所にいないというのも新鮮な光景でした。
■カーテンコールの拍手は感動で泣きそうに。舞台はハマるかも!
――その3カ月後には、初舞台『血の婚礼』を経験されていますね。
皆藤 初めてお客様の前で演技をするので緊張しました。舞台で自分をどう見せていったらいいのかも全然わからなかったし。劇中で歌うシーンがあったのですが、その歌が5拍子でリズムをとるのが難しくて大変でした。登場シーンも歌からでしたし、そこも難しくてたくさん練習をしました。
公演中は楽しくてどんどん舞台の魅力を感じて、終わった時には「この世界に入って良かった」と思いました。
――舞台だとダイレクトにお客様からの反応がありますよね。
皆藤 最初はお客さんの顔を直視できなくて、座席と座席の間を見ていました(笑)。でも回数を重ねるごとにだんだんお客さんの顔を見られるようになり、「今いい反応してくれた!」「笑ってくれてる! うれしい!」と感じながら演技ができました。終演後のカーテンコールの拍手がすっごく気持ちよくて、「このために稽古から今までやってたんだ」と思いました。大千秋楽はスタンディングオベーションをしていただき、感動で泣きそうになったくらい、ガッと感情が高ぶりました。これは舞台にハマるかもしれないと思いましたね。
■鈴木亮平のストイックさに憧れる
――デビューからまだ1年半経っていないですが、すでに色んな現場を経験されていますね。年齢的にも5月に20歳を迎えられ、成長したと感じるところはありますか?
皆藤 あまり変わっていないかも。僕が昔から勝手に思っているのは、何歳になっても子ども心や楽しむ気持ちを持ち続けたいということ。変わらないでいたいし、実際変わってないです。お酒を飲めるようになったことは唯一の大きな変化です。
――憧れや目標にしている方はいらっしゃいますか?
皆藤 ホリプロの先輩、鈴木亮平さんです。役に合わせてストイックに体型から変化させていらっしゃいますし、インタビューなどで撮影の裏話をされているのを見ると、その役になり切っているからこそ自然と出てくるセリフや感情があるのを感じられてすごいなと思います。その役にフィットするよう、自由自在に自分を変えているようなところも尊敬してるので、鈴木亮平さんみたいになりたいです。
■恋愛物語でヒロインにフラれる二番手をやりたい!
――3年後、5年後の近い未来、どんな風になっていたいですか?
皆藤 主役ももちろんやりたいのですが、二番手を演じてみたいです。ラブストーリーだったらライバル役。物語の鍵を握る重要な役だと思うんです。恋愛系だと、ヒロインがどっちを選ぶかとなった時に、フラれる方を演じてみたいんです。
【皆藤 空良(かいとう そら)Profile】
2003年5月20日生まれ。埼玉県出身。
2022年3月に開催された、ホリプロ主宰の次世代俳優発掘オーディション「ホリプロ☆ネクスト」最終決戦にファイナリストとして出場。その後芸能活動を開始したわずか1カ月半で日本テレビ『踊る!さんま御殿!!』にてテレビ初出演。同年には舞台『血の婚礼』で主人公の友人役に大抜擢(てき)され役者デビュー。2023年7月、テレビ朝日の連続ドラマ『シッコウ!!~犬と私と執行官~』で連続ドラマ初出演。9月に舞台『ロミオとジュリエット』の出演を控える。