『ムーラン・ルージュ』待望の再演!平原綾香、布面積が少ない斬新な衣装に「スコスコするな~」

2024.2.14 11:55

6月から9月にかけて上演される『ムーラン・ルージュ!ザ・ミュージカル』の製作発表が、2月1日(木)に東京都内で行われ、昨年から続投するクリスチャン役の井上芳雄、甲斐翔真、さらにサティーン役の望海風斗、平原綾香の4名が出席。

本作は2001年に公開されたバズ・ラーマン監督の映画『ムーラン・ルージュ』のきらびやかなビジョンを、アレックス・ティンバース演出によってさらにパワーアップさせ、めくるめく世界へと観客をいざなう革命的なミュージカル。2018年のボストン公演から始まり、2019年にはニューヨーク・ブロードウェイ公演がオープン。トニー賞最優秀作品賞(ミュージカル部門)をはじめとする10部門の受賞に輝いた。劇中では1899年、パリのナイトクラブである“ムーラン・ルージュ”が舞台。ナイトクラブでありダンスホール、劇場でもある、まさに夢のような空間。花形スターであるサティーンとアメリカ人作曲家のクリスチャンが激しい恋に落ちる…。日本では昨年6月に東京・帝国劇場で初演の幕を開け、チケットは即完売。そして今回、初演から1年、待望の再演が決定した。

『ムーラン・ルージュ!ザ・ミュージカル』メインビジュアル

天窓から東京タワーが見える会場で行われ、井上と甲斐はベロア生地の黒いジャケット姿、望海と平原はフリルやスリット部分にレースがあしらわれたタイトな真っ赤なドレス姿で、作品にちなんだコーディネートで登場。

――昨年の初演の思い出は?

サティーン役の望海は「さっきあやちゃん(平原)と話していて、あまり記憶がないと…。夢だったのかなと思うくらい非現実的な毎日でした」と振り返り、「夢の中に生きていた感覚」と作品に夢中だったことを明かした。同じくサティーン役の平原は「去年がちょうど歌手デビュー20周年で、それとムーラン・ルージュが被ったから、本当にバタバタで」と忙しい1年だったと話し、「公演後に生放送の歌番組があって、YOASOBIの『アイドル』を歌うから覚えないといけなくて。声出しがてら歌っていたら、周りの楽屋の女の子たちが“どうしたの!?”ってびっくりして(笑)まあそんな感じで…」とエピソードを話すと、クリスチャン役の井上から「そこが思い出!?」と突っ込みが。また今年、ミュージカルデビュー10周年になる平原。ガッツポーズをしながら「とにかくムーラン・ルージュ1本で!これに賭けて、お漬物で言ったら…“サティーン漬け”。古漬けみたいにしみ込ませてお届けしたいな」と少し天然発言が。すると真っ先に井上から「なんで漬物で言ったのかちょっとわからないけど…気持ちは伝わりました(笑)」と再び突っ込まれ、笑いに包まれた。

クリスチャン役の甲斐は大の『ムーラン・ルージュ』好きだそうで、初演について「しっかり覚えてます!」と笑顔。「去年の秋にフランスのパリで『ムーラン・ルージュ』を観てきました!」と本場を体験したと告白。「本場は“ショー”でした。日本は“THEミュージカル”ですけど、本場はもっとナイト感がすごくて。高揚感がもう…クリスチャンのことがすごいわかった」と目を輝かせ、より役について深まったと熱く語った。“ムーラン・ルージュファン”としても今回の再演は「待ちに待った」と喜びをかみしめた。

井上は「あんな若い役をよくやってたな(笑)」とクリスチャンを演じていた自身に驚き、「舞台上ではキラキラ感を出そうと(笑顔で)“ハッハッ”ってやってるけど、終わった瞬間の疲れが…」と“はぁ”と膝に手を置き、「甲斐くんは自前のあふれ出る若さがありますけど(笑)今年なけなしの若さが残っているか、一抹の不安があります」と甲斐と比べ笑いを誘う場面が。しかし、望海も平原も「でも舞台では絶対見せない」「疲れ知らず」と井上のプロ意識を称賛した。

(左から)甲斐翔真、平原綾香、望海風斗、井上芳雄

――好きなシーンは?

甲斐は「『ユア・ソング』とか、デュエット曲がすごい好きです。かといって『Backstage Romance』とかも、みんなで作るナンバーも見ごたえありますし…全部ですね」と少しためるように気持ちがこもった言い方をすると、「大好きですもんね(笑)」と井上から声をかけ、笑いに包まれた。

同じく望海も『ユア・ソング』と答え、「1番好き。人に歌ってもらって自分の心が動き始める。勘違いから起きてるけど、サティーンとクリスチャンの心が変化し始める。あの1曲の中ですごくロマンチックな出来事が毎回起こるところがミュージカルの楽しさ」と初演を思い出すような表情で語った。すると井上も「『ユア・ソング』の持つ力が、歌詞は英語から日本語になって…どうしました?笑ってますけど。面白いこと言ってない(笑)」となぜか笑いをこらえる平原に目を向け、「ごめんなさい…なんか全部おもしろい(笑)」と笑い泣きで目頭を押さえ、面白さの理由は明らかにされなかったが、“平原綾香らしさ”で場が和んだ。

――サティーンの印象的な衣装は?

『ムーラン・ルージュ!ザ・ミュージカル』は豪華な舞台セットや衣装でも話題で、望海と平原が着たサティーンの衣装の話に。

平原は「身にまとう布の面積がとても少なかった。私の歌手人生20年の中で1番少なかったです」と競泳水着のような衣装が新鮮だったと告白。「親戚や家族が“大丈夫なのか?”と…(笑)」と心配されたと話していると、井上が「ダルマみたいな衣装のね」と補足。平原は「だるま!?」と縁起物の“だるま”を想像し、両腕を広げてだるまを表現しながら聞き返すと、望海が「あれダルマって言うの」と衣装の呼び名を教え、平原は赤面し、笑いが起こった。斬新な衣装だが、クラシックバレエを習っていたことで普段からレオタードを着慣れている平原は「意外に…スコスコしなかった」と着た感想を述べると会場はざわついた。望海から「スコスコ?どういうこと?(笑)」と突っ込まれ、「なんかこう…スコスコするな~って。久しぶりにスカート履いてスコスコするな~って」とあまり聞きなじみのない表現に会場からはこの日1番の笑いが。

さらに平原は「緑のシャンデリアの時のちょうちょの衣装が好きですね。メデューサのイメージで妖艶。クリスチャンをとらえて食べちゃう強さを持った、怖いサティーン(のイメージ)」と印象的な2着目の衣装を答え、「ちょうちょになれるなんて…なかなかないからうれしかったです(笑)」と笑顔。井上から「急に幼稚園生みたいな(笑)」と突っ込まれ、終始平原ワールドがさく裂。

――初演からパワーアップするポイントは?

甲斐は「1番大きな違いは本場に行ったこと。体験として大きな収穫だったので、(クリスチャンを)想像して去年と、実際に観てきたのはかなり違うと思うので、その細かい解像度、言葉の説得力…2023年を優に超えていきたい」と意気込んだ。

劇中でクリスチャンが飛ぶシーンについて、井上は「“クリスチャントス”があるんですけど…本当はあれをやめたいんです、今年の目標はあれをやめる!」と笑いを誘いつつ、印象的なシーンのため「安全に、かつ高く飛ぶ」と明かした。

最後に井上が「この先も続いて、日本でもこの作品が愛されるように、再演は重要だと思うんです。この作品が今後(日本に)定着するかどうか、今回の再演にかかっていると思う。この作品はすでに特別だと思いますが、確実にするべく“やっぱりすごいねムーラン・ルージュ!”とお客様に思ってもらうことが今年の目標です」と締めくくった。

『ムーラン・ルージュ!ザ・ミュージカル』
2024年6月20日~8月7日 東京・帝国劇場
2024年9月14日~28日 大阪・梅田芸術劇場メインホール

キャスト:望海風斗、平原綾香、井上芳雄、甲斐翔真 ほか

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写真提供:東宝演劇部

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