これぞ『葬送のフリーレン』 シュタフェル、女子会…久々の“日常回”にファン歓喜「幸せすぎる30分」

2024.2.13 19:15

2月9日に放送されたアニメ『葬送のフリーレン』第22話『次からは敵同士』。一級魔法使い試験 第一次試験を無事突破したフリーレンたちは、3日後の第二次試験に備えてつかの間の休息を得る。“シュティレ”を奪い合った試験参加者たちの日常が描かれただけでなく、互いに親睦を深める様子も垣間見えた。前回までの激しさから一転した今話に、SNSでは「“観たいフリーレン”が見られた」「幸せすぎる30分」など歓喜の声が。中でもフリーレンが“第2パーティー”としてともに戦ったカンネとラヴィーネに再会し、お菓子を広げて思い出話に花を咲かせるシーンは「まるで女子会」と話題になっている。

(以下、アニメ最新話までのネタバレを含みます)

◆過去からの届けもの

「…だらだらするのも悪くはないな」。その日、魔法都市オイサーストの宿屋でシュタルクは“目覚めた”。フリーレンたちが一級魔法使い試験に赴いてはや3日、“夜遅くまで起きていてもフェルンに怒られない”と高をくくっていたシュタルクは、窓から差し込む夕日をベッドの上でぬくぬくと浴びていた。

“コンコンコン”。部屋の扉を誰かがノックする。こんな時間に誰だろう? その音はシュタルクがゆっくりと起き上がる間も徐々に勢いを増していった。トントントン…。ドンドンドン…! ガンッガンッガンッ!! 「はいはーい」とシュタルクがよそ行きの声で扉を開けると、そこにはなんとも無表情なフェルンが立っていた。

「一級魔法使いの試験に行ってたんじゃ…」「第一次試験が終わって昨日の夜に帰ってきました」。見ると、フェルンの後ろには彼女を“うかがう”フリーレンの姿も。彼女たちは一級魔法使い試験 第二次試験への切符を手にし、つかの間の休息をとろうと街へ戻ってきていたのだ。完全に油断していたシュタルクに、フェルンの詰問が始まる。

「寝てたでしょ?」「……」「夜更かししたの?」「……はい」「他には?」「……夜中にジュースも飲みました」。涙ながらに答えるシュタルクを、フェルンは鼻息荒くポコポコとたたく。そのお怒りは、同じくさっき起きたばかりのフリーレンにも飛び火。頬をふくらませるフェルンを見て、フリーレンはやれやれと残された半日を彼女の“ご機嫌取り”に当てることを決めるのだった。

一次試験では目覚ましい活躍を見せたフェルン シュタルクとのコミカルな掛け合いは久しぶりだ(画像は第19話より引用)

「本当ですか!? 本当にデザートをいくらでも頼んでいいんですか?」。フェルンの興奮した声が店内に響く。そこは以前、フリーレンが勇者ヒンメルたちとオイサーストを訪れた際に見つけた、“ちょっと高いけどいい店”。80年以上がたった今なお看板を下げることなく、“街で一番うまい店”と評判だった。

いちごのショートケーキに、4段重ねのパンケーキ、そしてプリンとフルーツが盛りに盛られたビッグサイズのパフェ。運ばれてきた“1人分”のデザートに、フェルンの表情も思わずゆるんだ。一方、フリーレンの目の前には大皿に盛られたステーキの山。「よーし、食い貯めるぞ」と、なんともご満悦な表情でナイフを入れていく。「フリーレン様って、たまにこういうことしますよね」。おいしいご飯の“食いだめ”は、フリーレンにとって昔から続くある種のクセのようなものだった。

――かつてヒンメルたちとこの店に“通った”フリーレン。あるとき、店のシェフが大切にしていた“家宝の包丁”を魔族から取り戻したお礼に“もてなし”を受けると、フリーレンは今と同じように山盛りのステーキを注文した。「一度にそんなに食べなくても、また来ればいいじゃないか」。あきれるように笑うヒンメルに、フリーレンは言った。「そう思って、二度と食べられなくなった味がたくさんあるからね」。長寿の種族エルフにとって、何気ない言葉だった。

だがその言葉が、シェフの心に火をつけた。「ご安心ください、フリーレン様。当店の味は後世まで遺(のこ)すつもりです。100年後も200年後も」。その表情は自信に満ち満ちていた。だがそれでもなお、フリーレンは信じがたいといった様子だ。そんな彼女を横目に、ヒンメルはシェフにある提案をする。この味を、しっかり未来まで届けてほしいと。それが“今回の報酬だ”、と――。

「フリーレン、これめちゃくちゃうまいぞ!」。わんぱくに料理を頬張るシュタルク。フェルンも幸せそうだ。つられて、フリーレンもステーキを口にする。……味は変わっていたが、彼女はそっと笑ってつぶやいた。「あのときよりも、ずっとおいしい」

山盛りのステーキを前に“食いだめる”フリーレン

◆生きているということ

「昨日より機嫌悪いじゃねーか…」。シュタルクたちの寝坊にフェルンが怒った翌日、彼女はまた頬をふくらませていた。フリーレンいわく、その理由はまたしても“寝坊”。どうやら買い出し当番をすっぽかしてしまったらしい。「フェルンは積もりに積もって爆発するタイプなんだよ…」。フリーレンはすっかりしょぼくれてしまった。仕方なくシュタルクが仲裁に入ると、フェルンはそっぽを向いたままつぶやいた。「おやつ食べたい」

再びフェルンの“ご機嫌”を取るため、3人は街のベーカリーへ。定番からサイドメニューまでそろう豊富な品ぞろえが、今は逆効果を生む。「あの、フェルンさん。どれにしましょうか?」「別にどれでも」。不毛なやり取りに“…これ、どれでも良くないときのやつだ”と思ったシュタルクは、フリーレンとともに頭を抱える。そんな2人を遠巻きに見る、2つの影。「あれ、フリーレンじゃねーか?」「うん…」。第一次試験でパーティーを組んだラヴィーネとカンネが、店の入り口できょとんとしていた。

それぞれに買い物を済ませた一行は、自己紹介などをしつつフリーレンたちの宿へと向かう。道中、不意に現れた北部魔法隊隊長ヴィアベルが「前衛を探していたんだ」とシュタルクを連れていってしまったが、それはまた別のお話…。

激おこなフェルンとしょぼくれるフリーレン 以前であれば僧侶ザインが仲裁していたのだろうか

「はい、フリーレン。これ、お礼ね」。宿へ着くなり、カンネたちからお菓子の詰まったバスケットを受け取る。腑(ふ)に落ちないフリーレンに、2人は重ねて言った。「フリーレンがいなかったら、私たちは第二時試験まで進めなかった」「ありがとう」。……“ありがとう”。その言葉は、彼女の中の思い出をまた1つ呼び起こす。

――満面の笑みでお礼を言う少女と、それに優しく手を振りかえす勇者ヒンメル。そしてそばにはすでに事切れた魔物…。魔王討伐の旅路の最中、フリーレンはそんな光景を何度も目にしていた。あるとき、“人助け”をする理由を尋ねると、ヒンメルは一言「勇者だからさ」と笑い、こう続けた。「…もしかしたら自分のためかもな。誰かに少しでも自分のことを覚えておいてもらいたいのかもしれない。生きているということは、誰かに知ってもらって、覚えていてもらうことだ」。……覚えていてもらうためにはどうすればいいんだろう? 思わず口にしたフリーレンに、ヒンメルは優しくほほ笑み返す。「ほんの少しでいい。誰かの人生を変えてあげればいい。きっとそれだけで十分なんだ」――。

……ベッドの上に“お菓子”を広げ、輪を作るように4人が座る。「それでね、あのときラヴィーネが…」「いやいやそれは…」。笑顔の絶えないカンネとラヴィーネのやり取りを、フリーレンのほほ笑みが見守る。その表情はどこか誇らしく、あふれでる喜びをかみ締めているようにも見えた。 “誰か”の人生をほんの少し変えられた彼女は、紛れもなく今を生きている。

“おめかし”をしたラヴィーネ 帝都から帰ってきた彼女の兄たちによって着せ替えられたという

◆4人の“おしゃべり”が「まるで女子会」と話題

先週まで第一次試験の激しいバトルが続いていたこともあり、フリーレンたち試験参加者が“次からは敵同士”と理解しながらもそれぞれに親睦を深めた今話は、SNSでも「すごい癒やし回」「こういう幕間好きw」「幸せすぎる30分」など、久しぶりのまったりとした“日常回”を喜ぶ視聴者が目立った。なかには「こういうエピソードを楽しめるのもこの作品の魅力に違いない」「久しぶりに“観たいフリーレン”が観られた感ある」と、作品の魅力が強く押し出された回だったという声も。

中でもフリーレンがカンネたちと4人で談笑するシーンでは、お菓子を広げて楽しそうにするその様子が「女子会だ!!」と話題に。ひとり黙々とお菓子を食べるフェルンや、幼なじみコンビ“ラヴィカン”の掛け合いに「かわいい!」「和む」「俺も混ざりたい」「この女子会の平均年齢は…」といった反響が多出したほか、「フリーレンのうれしそうな顔見てなんか泣きそうになった」「彼女らをいとおしそうに見守るフリーレンが感慨深い」など、ヒンメルの言葉を思い出してほほ笑むフリーレンの姿にグッときたという声が上がった。

次回『葬送のフリーレン』第23話『迷宮攻略』は、2月16日(金)『FRIDAY ANIME NIGHT(フラアニ)』(全国30局ネット)にて放送予定だ。

画像提供:©山田鐘人・アベツカサ/小学館/「葬送のフリーレン」製作委員会

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