四方を建物に囲まれた土地に“明るい光”のさす家を…難題を解決した建築士の秘策、“玄関前の壁”とは
2024.4.19 10:15お笑い芸人のこがけん、俳優の武田真治、俳優の水谷果穂が、4月18日放送の『THE突破ファイル 空港税関&狭小住宅!春の嵐で大ピンチ2時間SP』の再現VTRに出演。狭い土地に依頼者の希望をかなえる家を建てる設計士の奮闘ぶりを描いた。
1級建築士の古賀(こがげん)とアシスタントの水谷の元を、古賀の先輩にあたる建築家の武田が訪れた。武田が持ってくる案件は狭小住宅に関するものが多く、今回もなかなか難しい案件のようだ。
古賀たちはさっそく依頼主夫妻に話を聞くことに。既に土地は購入しているのだが、22坪あるというその土地はまるで旗のような形をした“旗竿地(はたざおち)”。もともと奥行きがある広い土地を分割して売却する際に旗の形になったもので、比較的低価格で購入できるメリットはあるが、旗の竿にあたる部分は通路、もしくは駐車場ぐらいにしか使うことができず、建物は旗の部分の18坪にしか建てることができないのだ。さらにこの依頼主が買った土地の場合、土地の北、南、東には既に建物があるため、風通しも日当たりもかなり悪くなってしまうのが難点だった。この旗竿地に明るい家を建てるのは難しいと、多くの建築家から断られてきたと話す依頼主に、古賀は「引き受けさせていただきます!」と笑顔で答えた。
古賀は改めて希望するポイントを聞いてみる。最初は「少しでも明るい家にできたら…」と遠慮がちだった依頼主だったが、古賀や武田に促されるままに次々と要望が飛び出してきた。友達を呼べる家、広いキッチン、バルコニー、開放的なリビング、大きなお風呂、寝室、子どもが遊べるスペース…とたくさん出てきた要望に古賀は「No problem!任せてください!みなさんの夢を全部詰め込んだおうちを設計させていただきます!」と胸を張った。
古賀たちは実際に依頼主が購入した土地を訪れてみた。竿の部分は幅が狭く駐車場にするのは困難で、住宅密集地なので十分な日当たりも望めないような環境だった。法律上は3階建ての家を建てることはできるものの、この地区の住宅には高さ制限があったため、3階建ての家を建てると3階部分を斜めに削られたような形にしなくてはならず、広い間取りはとれなくなってしまう。だが古賀は「ここに3階建てを作ります!」と断言。事務所に戻って詳細な設計計画を立てることとなった。
3階建てのどのフロアに何の部屋を作るかを決める“ゾーニング”を行った結果、子ども部屋は3階に作られることになった。西側以外を建物で囲まれている環境下で光のさす明るい家にするため、古賀は天井に窓を付け、そこから太陽の光を取り入れる“トップライト”を提案。さらに2階より下にも天井からの光を届けるため、階段をスケルトン構造のらせん階段に。階段のスペースも小さくなるので居室スペースも広く確保できるのだ。
とはいうものの3階は斜めに削られてしまう分、居住スペースは他のフロアよりも狭い11畳が限界。さらに将来、2人の子どもにそれぞれの部屋を与えることを考えると、1人3畳分のスペースしかなくなってしまう。1、2階の広さを維持しつつ広い子ども部屋を造り、明るさも確保するにはどうすればよいか。古賀は考えを巡らせ1つのプランを作った。
古賀が提案したプラン、それは3階を作るのをやめ、半地下を作るというものだった。通常の地下階を作るよりも半地下であれば工費も安く、3階だった部分を削ったとしても2階の広さは担保され、さらに天井も高くできるので開放感のあるリビングも実現するのだ。さらに南側からの光を取り入れるためバルコニーも2階に設置し、洗濯機も2階に設置して1階の水回りを広々とさせるなど、依頼主からの要望を網羅したプランが完成した。
依頼主からの反応もよく、このプランのまま建築計画が進む…と思いきや、なんと唯一建物がなかった西側に新たにアパートが建設されることがここにきて判明。このままでは日当たりは絶望的。四方が囲まれてしまった旗竿地で光のさす明るい家を建てるには…古賀は必死に考えを巡らせ、1つのアイデアを思いついた。
古賀の思いついたアイデア、その核となるのが、玄関前に斜め向きに設置された白く大きな壁。バルコニーに沿うように建てられたこの壁のおかげで、南側の竿部分からの日差しが壁によって反射し、1階と2階に柔らかい光がさし込むようになるのだ。光だけでなく吹き込んでくる風も反射して室内に流れ込んでくるため、風通しのいい部屋に。大きさのある壁のためプライバシーの確保もでき、さらに耐震壁の役割も果たしてくれる。まさに“一石四鳥”の働きをする壁を作ることで、古賀は依頼者からの要望に完璧に応えてみせた。
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