アニメ『ザ・ファブル』超がつくほどの猫舌は“生き残るため”だった? 明の強さの理由がまた1つ明かされる──
2024.7.10 17:15毎週土曜24時55分より日本テレビ系にて順次全国放送中のTVアニメ『ザ・ファブル』(※7月6日〜8月3日はよる1時5分から放送予定)。本作は“1年間の休業生活”を命じられた最強の殺し屋・通称ファブルが、佐藤明として普通の生活を送ろうと奮闘するアクションコメディー。7月6日の第14話『好きです兄さん‼︎』では、真黒(まぐろ)組組員の黒塩(通称:クロ)が明と共に2泊3日の山籠りに出かけるなど、久々の“日常回”となった。終始笑いどころの詰まったエピソードに、SNSでは「山に籠るだけの話がこんなに面白いとは」「こういうのが楽しい作品だ」との声も──。一方、洋子との何気ない会話の中では、明が超がつくほどの猫舌であるその理由が判明。明が“プロ”であることを、より実感させられる内容だった。
(以下、アニメ最新話までのネタバレを含みます)
◆クロが明に好き好きアピール!一方、洋子は“素顔”をのぞかせて…
酒にポテチ、箱ティッシュにテレビのリモコン──。手の届く範囲に物をそろえて、洋子はひとりソファでため息をついていた。「あ〜〜兄はいないし〜〜…ヒマだわ〜〜ヒマなのよ〜〜」
そんな中、不意に鳴る呼び鈴。ドアを開けると、そこには真黒組若頭 海老原の筆頭舎弟・黒塩が立っていた。顔つきは至って真面目。「いきなりスイマセン…」と、テーブルに着くなり深々と頭を下げる。洋子が用件を尋ねるも、「あの…僕も事情を知ってるひとりというか…」とやや遠回り気味な回答。どこか言葉を選びながら、慎重に話を進めている様子だった。
「この前の“工場(こうば)”での事と──“ファブル”という──お兄さんの仕事です…」
海老原に付き従ううちに明の正体を知ってしまったクロは、以来そのとてつもない強さにすっかり心酔。この日は、明にどうアプローチすれば正式な弟子として認めてもらえるのか…、その答えを聞きに来たのだった。……だが、“ファブル”の名を口にした直後、クロは思わず背筋を伸ばし固まってしまう。目の前に座る“妹”の表情が、明らかに異様さをまとっていたのだ──。
「あのォ〜、言っときますが、僕…敵じゃないですよ──!?」。クロは必死で、これまでの経緯と明への思いを打ち明ける。あわよくば明が属する“組織”に中途採用で採ってもらえないかとも考えていたが、洋子自身も組織についてはもちろん、明についてさえ詳しくは知らないようだった。ため息をつくクロに、洋子は質問を返す。真黒組の若手としてそれなりの立場についているのに、その地位を捨てられるのか、と──。
「地位や立場なんてどうでもいいんス──!弟子にしてもらえたら今の生活、全部捨ててもいいです!」
間髪をいれずに答えるクロを見てほだされたのか、はたまた別の狙いか…洋子はある提案をする。「兄ね──週末に二晩ほど山にこもるんだって〜」「お願いして連れてってもらえば──?」。洋子いわく、必死に頼んでくる相手には、明と言えど弱い一面もあるという。
──しばらくして、明がハコスカと共に帰宅。出迎えたクロはさっそく明にアピールを開始。ジャッカル富岡が出演中のドラマ『愛という名のウィークデー』の主題歌CDをプレゼントしてきっかけをつかむと、週末の“山籠り”に連れて行って欲しいと相談を持ちかける。「兄さんのジャマはしないっス──!」「見える所にいますが別行動!声の聞こえる範囲ですが別行動!」。身振り手振りで懇願するクロに、明は渋々同行を許可。ただし、「よく聞け」と少しだけ語気を強めた。「山にゴミはするな!ちり紙1枚も!もしゴミを捨てたら──その場におまえも埋めるからな──」
◆“猫舌”の理由
クロが帰宅後、“真黒住宅”には野菜いためのいい香りが漂っていた。「お兄ちゃんも食べる?」「ちょっとだけもらう──」。洋子は明の情報をあえてクロに与えた。明と行動を共にし、体力と実力の差を目の当たりにすればあきらめるのではないかと──。そんな彼女の見立てはさておき、できたて熱々の野菜いためが明から言葉を奪った。
「何よ!自分でふ〜ふ〜しなさいよッ!」。サンマの時といい、今回といい、なぜそんなにも強烈な猫舌なのか…、洋子はすっかり呆(あき)れ顔。「ネコ舌というか敏感なだけだ──」。静かな口調で返す明は、不意に“昔”を振り返る。それはかつて、ナイフ1本で山に放り込まれた幼少期のこと……。
「毒を見極められるようになった先がコレやった。自分の舌だけが頼りだった──人間も本当に飢えると鼻が利く──そして舌は過敏になる──。臭いと舌でその先を予感してみる。身体が吸収するのか拒絶するのか。少しずつかじって舌先がピリッとするのはよくない…」
12歳の時には丸3日、山中で動けなくなったこともあった。そうした過酷な経験が、明の舌を敏感にしてしまったのだった。
◆食料は現地調達!いざ、2泊3日のサバイバルへ
週末、明はまだ日も昇らぬうちから目的地周辺の地形図を広げ、2泊3日の段取りを確認する。隣には真剣な表情のクロ。そして、目的地近くまでの運転役をさせられる事になる寝ぼけ眼の洋子がいた。
「人気(ひとけ)のないとこまで、なるべく奥地まで入る──」。明の指は、道なき道を示していく。進む予定のルートはひたすらに森を突っ切っており、獣道なのかさえ怪しい。不安を募らせながら、クロはハコスカに揺られた…。
辺りが少し明るくなってきた頃、一行は“山籠り”のスタート地点に到着。持ってきた装備をトランクから次々に下ろすクロ。一方、明はほぼ手ぶら状態だ。「テントは?寝袋は?食料とか──!夜の明かりとかも…。山をナメてん巣スか、兄さん──!?」。さすがに声をあげるクロだったが、明は「それらを全部持って行ったらキャンプやろ──」とすかさず論破。洋子に促されて、クロの荷物から最低限の装備を選んでいく。
カセットコンロに米、折り畳みのイス、双眼鏡に手袋、スプーンとフォーク、挙句にオーディオプレイヤー…。「もはやキャンプを通り越してピクニックやな」。クロは目をつむり、面目ない…といった面持ち。ちなみにナイフとして持ってきたのは、白さやに収められた“ドス”だった。「切れたらいいのかと──…」。クロと明のやりとりを、洋子がひとりケラケラと笑っている。
結局、テントとランタン、寝袋はキープ。クロは最低限の装備を携え、腰ほどの高さの草をかき分けて進む明についていく。「もしかしてこれって、サバイバルっスよねぇ?」「いや、ただ山で2日暮らす…それだけ」「そういうとこ、シブイっス!!」──