『キングダム2』初参戦 岡⼭天⾳×三浦貴⼤×濱津隆之に単独インタビュー
2022.7.14 19:307⽉15⽇から全国公開される映画『キングダム2 遥かなる⼤地へ』。entaxは、キャストの岡⼭天⾳、三浦貴⼤、濱津隆之、3人に単独インタビュー。⼭﨑賢⼈演じる主⼈公・『信(しん)』、清野菜名演じる謎めいた⼥戦⼠『羌瘣(きょうかい)』とともに、『伍(ご)』という五⼈組の⼀員をそれぞれ演じた3⼈が、撮影中のエピソードを語った。
<キャラクター紹介>
尾平(びへい)~信と同じ村出⾝で、チンピラ兄弟と⾔われる“尾兄弟”の兄。お調⼦者ではあるが、仲間思いの⼀⾯も。(岡⼭天⾳)
尾到(びとう)~ “尾兄弟”の弟。穏やかながら芯の強い性格で、兄とともに戦に参加する。(三浦貴⼤)
澤圭(たくけい)~いつも残り物のメンバーで伍を組んでいるハズレの伍⻑。しかし、多くの戦場を⽣き残った経験を持つ。(濱津隆之)
■「びっくりし過ぎて何回もメールを⾒直しました」(濱津隆之)
――映画『キングダム』は皆さん2からの参加になりますが、出演が決まった時の率直な感想をお聞かせください。
濱津 本当にびっくりしました。⾃分はそれまで(原作コミックを)読んだことがなかったので、お話をいただいた時には“やったー、うれしい!”というよりもびっくりし過ぎて、オファーのメールをその⽇は何回も⾒直しました。まさか⾃分にそんなお話が来るとは全然思っていないものがポンと来たので、最初は実感するまでにすごく時間がかかりました。しばらくしてようやく、“やったー”といううれしさと緊張感がじわじわと来たという感じですかね。驚きの⽅が最初は強かったです。
――演じる澤圭がどんなキャラかもその時はご存じなくて。
濱津 そうなんですよ。何も知らないままだったので、撮影に⼊る前、最初に監督にお会いした時にそのことは伝えたんです。“読んだことありますか?”と聞かれて、“まったくないです”っていうやり取りはして。そうしたら監督が“むしろその⽅がいいかもしれない”と⾔ってくださって。変な先⼊観がない⽅が良かったのかもしれないです。
■「ギャルのように装飾しました」(岡⼭天音)
――岡⼭さんはいかがでしたか?
岡⼭ 男的にはこういう(少年マンガの)世界は⼩さい頃から憧れがあったので、俳優という仕事を始めて、その世界に実際に⼊れるというのは不思議な感慨がありましたね。ただ、⾮常に⼤きいプロジェクトなので緊張感もありました。
――原作の尾平と似ているとネットで話題になっていましたが。
岡⼭ うーん、原作の尾平は顔が濃いですよね。なので撮影の時はかつらもかぶっていましたし、ヒゲも僕はあまり⽣えないので、毎朝撮影に⼊る前に⼀本ずつメイクさんからつけてもらって、⻭も装着して……⾊々とギャルのようにゴテゴテに装飾して、⾜して⾜して……皆さんのおかげでなんとか尾平のビジュアルに近づけていただきました。
■「20kg増量して役づくり」(三浦貴大)
――三浦さんもお願いします。
三浦 僕は元々マンガ全般が⼤好きで、『キングダム』ももちろん読んでいて、前作の映画も見ていたので、あの世界に⼊れるんだ、というのはすごくうれしかったです。それゆえにマンガ好きの⼈たちの気持ちもすごくわかるので、原作があるものを実写化するというプレッシャーはすごくありました。期待感とプレッシャーの板挟みでした。
(ビジュアルでは)尾到の髪型なんて、現実世界では無理、というところに落ち着いたんですけど、その中でもなるべく近づけようという努⼒の結晶があの髪型です。あとは、体も⼤きくしました。尾兄弟って、原作だと尾平はけっこう⾝⻑が⼩さいのですが、天⾳くんと僕はそんなに⾝⻑が変わらないので、ちっちゃい兄ちゃんと⼤きい弟の対⽐をどうやったら出せるかなと思って、体重は20kgくらい増やしました。とりあえず横幅をデカくしておけばデカく⾒えるか、と思って。
■「お互いの芝居をよく⾒ていた」(岡⼭天音、三浦貴大)
――映画では個性豊かな伍(戦場における五⼈組)チームの⼀員でしたが、ご⾃⾝のキャラクターや⽴ち位置は、どういうところを意識して演技されましたか?
濱津 澤圭は頼りないとは⾔われているんですけど、原作では“⾃分の伍からは死者は⼀⼈も出したことがない”という⼈なので、何かしら澤圭さんなりの信念、戦場で⽣き抜いていくためにこれだけは絶対に譲れないというようなものはあるはず。根は本当に弱い⼈ではないとは思うので、そこは意識していました。
岡⼭ 基本的に(三浦さん、濱津さんの)お⼆⽅も含めて伍で動くことが多かったというか、ほぼそれだったし、僕らは信の闘いを⾒て、圧倒されるという場⾯が多くて、(この3⼈が)代わりばんこでセリフを⾔うというシーンがたくさんあったんですね。だから、伍としてのバランスや、その中で尾平がどう⾔うかというのは考えましたね。段取りの段階で、澤圭さんと尾到がどんなふうにこのセリフを⾔うんだろう、というのをよく聞いたりとか、伍としてのたたずまい、みたいなものはけっこう意識しましたね。現場で、(尾到らの)芝居を横で⾒てました(三浦さんを⾒ながら)。
三浦 照れちゃうよ(笑)。僕もみんなの芝居はよく⾒ようと思ってましたし、特に尾平の芝居をよく⾒ていたのはあって。それっていうのは、今作で描かれた蛇⽢(だかん)平原の戦いというのが、信と同郷の尾兄弟が初めて戦場に出てきてビビっているところから、徐々にこの闘いの中で成⻑していく話なんですね。だから、兄弟で成⻑具合に差が出ちゃうと微妙なので、どのくらいの感じなのかな、というのは何となく⾒て感じながらやるようにしていました。
■「殺陣は本当に⼤変でした…」(濱津隆之)
――戦闘シーンは⽇本映画と思えないくらい壮⼤なスケールでした。他の現場と違いを感じたところや裏話などあれば教えてください。
濱津 えー、全部ですよね。僕は殺陣とかそういうものも、全部が初めてだったんですよ。だから本当に⼤変でした。(しみじみと)⼤変でした……。殺陣は、最初は“本当に切っていいですよ”と⾔われてもできないんですよね。撮影⽤の⼑は相⼿がケガしないようにできているんですけれども、どこかビビっちゃってちゃんと相⼿に深く⼑を⼊れられなかったので、慣れるようになるまではけっこう⼤変でした。なんとか必死でやっていました。
岡⼭ 僕はけっこう賢⼈が演じていた信を⾒つめている場⾯が多くて。賢⼈が⼤勢、100⼈とか何百⼈を相⼿にしてエネルギーを⾶ばす、(例えば)⼤きい声でセリフをしゃべって、そういった芝居の上でのスケール感というものも現代の⽇本の話だとなかなかないですし、時代劇だとしても⽇本のものだとまだ出くわしたことないようなスケールでした。
■「わらじで⾺と⼀緒に⾛るのがきつかった」(三浦貴⼤)
三浦 伍のメンバーや歩兵たちは、斜⾯から⼭から森から、⾊んな場所をわらじで走ったので大変でした。だんだんよくわからないところが痛くなってくるんですよね。痛くなったことないようなところが痛くなってくるというか。⾛っているのに背中が痛くなったりとか、腰が痛くなったりとか。
岡⼭ ⾜場がすごいところを⾛っていますからね。本当に。
三浦 ⾺と⼀緒に⾛ったりね。さらに、アクション部の⼈たちがとんでもないこと⾔い出すんですよ。“⾺とあんまり離れないように⾛ってください”とか。追いつけるわけないのに。あれはちょっときつかったですね。
岡⼭ (⾺と同じ速度で⾛れたら)⾺の乗る意味ないもんね。
濱津 ⾺もあんまり⼿を抜いてくれないしね。
映画は7⽉15⽇(金)から全国公開。
『キングダム2 遥かなる⼤地へ』https://kingdom-the-movie.jp/
【プロフィール】
岡⼭天⾳(おかやま あまね)
1994年6⽉17⽇⽣まれ、東京都出⾝。
2009年、NHKドラマ中学⽣⽇記シリーズで俳優デビュー。2017年公開『ポエトリーエンジェル』で第32回⾼崎映画祭最優秀新進男優賞を受賞。同年のNHK連続テレビ⼩説『ひよっこ』では売れない漫画家役を好演。2022年は『さかなのこ』『百花』『沈黙のパレード』『あの娘は知らない』など待機作が続いている。
三浦貴⼤(みうら たかひろ)
1985年11⽉10⽇⽣まれ、東京都出⾝。
『RAILWAYS 49歳で電⾞の運転⼠になった男の物語』(2010)で俳優デビュー。同作で国内映画祭の新⼈賞を総なめにする。近年の映画出演作は、『初恋』(2020)、『⼤綱引の恋』『妖怪⼤戦争 ガーディアンズ』(2021)、『流浪の⽉』(2022)など。待機作に『もっと超越した所へ。』(2022公開予定)がある。
濱津隆之(はまつ たかゆき)
1981年8⽉25⽇⽣まれ、埼⽟県出⾝。
映画『カメラを⽌めるな!』(2018)にて主役を演じ、第42回⽇本アカデミー賞で優秀主演男優賞を受賞。NHK⼤河ドラマ『麒麟がくる』(2020-2021)や映画『ヒノマルソウル〜舞台裏の英雄たち〜』(2021)などに出演。2022年の待機作に『怪奇タクシー ⾵の夜道に気をつけろ!』がある。