近藤真彦単独インタビュー 「ライブではマスク越しにファンの気持ちが伝わる」

2022.10.31 08:00

現在全国ツアー真っ最中の近藤真彦に、entax取材班が単独インタビュー。ライブの感触や今後のツアー予定、アーティストとして新たに挑戦していることなどを聞いた。

■歌番組を見ているようなヒット曲満載のライブツアー中

――9月から開催中のライブツアー『Masahiko Kondo2022 Live Tour「M5K8」Fifty-Eight』のコンセプトをお聞かせください。

近藤 7月に開催したバースデーライブは、非常にマニアックな選曲でした。40年以上応援してくれたファンの方たち……おそらく10代、20代の頃に僕のアルバムを買って、そのアルバムの中の曲をコンサートに聞きに来てくれたような子たちがたくさんいて、前回はその子たち向けのマニアックな内容をやったので、「久しぶりにマッチ見てみようかな」という方が来てくれても、知らない曲ばかり、という(笑)。だから、今回のコンサートはガラッと変えて全部ヒット曲ばかり。80年代の『歌のトップテン』、『ザ・ベストテン』、『夜のヒットスタジオ』といった歌番組を見ているような、そんな雰囲気のステージになっています。(『スニーカーぶる〜す』『ハイティーン・ブギ』『MOMOKO』など全22曲を披露)

――お1人で何曲も歌い続けるのは、体力が必要ですよね。

近藤 今のツアーだと22曲ずーっと歌いっぱなし。(グループじゃなくて)1人だから体力的には相当キツくて、かなり準備しないとだめ。着替えの時だけちょっと休めるけど。それで全曲歌い切ってほっとしたと思ったら、明日もがんばろうっていわれて、そっか、明日もあるんだったって(笑)。

――ツアーの会場数は15カ所とけっこう多いですよね。

近藤 デビューして数年はこんな感じでやっていましたね。当時はアリーナとか大きなホールがなくて、各エリアをまとめてアリーナに呼んで、ということができなかったから、1県1県回っていたんですよ。今、同じ感じでツアーができていて、すごく懐かしいですよ。会場が暗くなった時の、1階、2階、3階と光るペンライトを見ると、こっちが当時に戻っちゃう感じ。舞台から見ていて懐かしいな、と。最近はみんな声を出さずにペンライトで表現してくれるじゃない。それはそれでいいかな、と。

■マスク越しでもファンの気持ちは伝わってくる

――年末にディナーショーがあり、年明けには野村義男さんとの合同ライブツアーも開催される予定ですね。

近藤 そう。ちょっとライブ漬けだね。でも、ライブも久しぶりにやるとちょっと疲れちゃったりするんだけど、定期的に開催していると体がそちらに合っていって、疲れもないんですね。僕のコンサートを見に来てくれているファンの方の80〜90%は40〜50代の方なんだけど、彼女たち、彼らはコンサートに来てもまったく疲れていないからすごいよね。

今はコロナ対策でみんなマスクをしているし、立ち上がったり声を出したりということはできないんだけど、マスクありコンサートも慣れてくると伝わってくるものがあるんですよ。ファンの方の目力や熱で、自分でいうのも恥ずかしいけど「マッチ楽しかったよ」「ありがとうね!」といっている声が聞こえてくるんだよね。それに励まされて、よし次もがんばろうか、となるんです。彼女たち、彼らが20代だった頃の気持ちにちょっとでもいいから戻ってもらえるといいなと思います。家に帰るとダンナや奥さん、子どもがいて現実があるじゃないですか。そこを一瞬でもあの頃に戻ってもらえるように歌っているので、けっこう楽しいです。

■よっちゃんとの合同ライブは「漫談ツアー」

――野村義男さんとのツアーは、どんなツアーになりそうですか?

近藤 義男さんとは、MCの打ち合わせはゼロなんです。行き当たりばったりでMCをするんですけれども、彼はすごく話が上手なんですよ。例えば横浜が会場だとすると、横浜の名所や美味しい場所の話をしたり、北海道だったら時計台まで行って写真撮ってきたりね。すごくマメなんですよ。だから、MCは彼に任せています。ただ彼はオチがないとしゃべった気にならないようで、ファンの方がブワッと笑わないと話した気にならないみたい。だから裏では、「真彦・義男の漫談ツアー」なんていわれているんですよ。僕も一生懸命歌っているんですけれども、「マッチとよっちゃんのコンサート、かっこよかった」じゃなくて「おもしろかった!」なんていわれちゃって。

――ファンの方も楽しみになさっているでしょうね。お2人のツアーの曲選びも進めていらっしゃいますか?

近藤 そうですね。なるべく自分のコンサートと重ならないような曲を歌っています。やはりよっちゃんのギターを生かしてほしいので、けっこうロック系の音を増やしています。今全国を回っている(単独)ツアーでは、どちらかというと歌謡曲とか懐メロを喜んでもらうツアーなので。でも、よっちゃんとやる時はロック色が強くて、音楽的なこともMC的なこともよっちゃんにお任せしているので、僕はステージで与えられた楽曲を目いっぱい歌うだけという、そこだけを考えていればいい。だから、野村義男様様ですね。

■1年前からギターに挑戦中

――アーティスト近藤真彦として今後挑戦したいことはありますか? 例えば作詞・作曲だとか。

近藤 それはね、今よっちゃんにちょっと教わっているんだけど、ギターだね。ギターを1年ちょっと前から始めたんです。よっちゃんに「お願いだからちょっと付き合って」といって(ギターを見に行き)、ちょっといいギターを2本買ったんですよ。どうしてかというと、いいギターじゃないと粗末にしちゃう気がしたので。いいギターだったら大事にするじゃないですか。よっちゃんには「ねえ、マッチ。弾けない人が買うギターじゃないよ」っていわれたんだけど(笑)。

でも、そのギターを大切に持っていて、1回目のよっちゃんとのコンサートでフォークギターの方を使って『愚か者』を弾いたんですよ。今回の2人のコンサートではエレキギターの方を弾きたいと思っていたけれど、ちょっと時間がなくて。でも、空いている時間によっちゃんに教わっているので、いつかみんなの前でかっこよく弾けるようになりたいな、というのはあります。これは夢です。近くにすごい先生がいるんだもんね。もったいないってみんなにいわれる。

近藤真彦インタビュー
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【近藤真彦Profile】
1964年生まれ。神奈川県出身。1979年TBSのテレビドラマ『3年B組金八先生』の生徒・星野清役でデビュー。1980年『スニーカーぶる〜す』でソロ歌手としてデビュー。1987年には『愚か者』で第29回日本レコード大賞を受賞した。レーサーとしても活躍し、2000年からレーシングチームの監督兼代表取締役社長を務める。

【Information】
・単独ライブツアー『Masahiko Kondo2022 Live Tour「M5K8」Fifty-Eight』2022年9月3日〜11月20日
・ディナーショー『Masahiko Kondo Harbor Town Dinner Show 2022』2022年12月12日〜12月27日
・合同ライブツアー『MasahikoとYoshio Live Tour 2023』2023年1月5日〜2月5日
https://www.curtaincall.tokyo/mk_program/

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