『王様戦隊キングオージャー』ラクレス役・矢野聖人 実は劇中で「〇〇をしなかった」 “人間味を見せない”演技の秘密を明かす

2023.10.24 14:00

テレビ朝日系にて放送中のスーパー戦隊シリーズ最新作『王様戦隊キングオージャー』。10月22日に放送された第34話『シュゴ仮面の逆襲』でまさかの“復活”を果たした『ラクレス・ハスティー』。またしても主人公・ギラたちの敵として立ちはだかる形となったが、SNSでは「やっぱりラクレスがいるほうが盛り上がる」「お髪が短いラクレス様も美しい」「ラクレス様お帰りなさい~~!!」など、再登場を喜ぶ声が飛んでいる。

今回はそんなラクレスを演じている俳優・矢野聖人の『entax単独インタビュー 後編』。 キャラクターの人間味をなくすために行っているという“体を張った役作り”の話や、鼻先ギリギリで剣をかわした“アクションシーンの裏側”など、役者としてのこだわりを聞いた。

★インタビュー前編はこちら

■“矢野聖人”流の役作り 『瞬き』をしない

――ラクレスを演じる上で意識していることを教えてください。

矢野 (最強の工業国・シュゴッダムの国王だった頃は)“国民に対してのラクレス”と“他の王たちに対するラクレス”、その違いを自分の中でハッキリ出そうというのは思っていました。1つ1つの表情もそうですし、台詞回しもそうですし、いずれにせよ『堂々とする』というのは1個通してやっていましたね。

――具体的にはどのような演技を?

矢野 わりと“瞬きしない演技”をしていました。ラクレスの国は「他の国よりも強いんだ」っていうのを出すために、あんまり“人となり感”を出さない方がいいというか、「この人何考えてるかわかんないな」と思わせるニュアンスの方がいいかなと思ったんです。なんとなく『瞬き』が多いとちょっと人間味が出るじゃないですか、それがない方がいいかなと。

――目が乾きそうですね(笑)

矢野 めっちゃ乾きます、コンタクトですし(笑)。ただ1〜3話くらいの時は毎回意識して瞬きをしないようにしていましたが、今では「ラクレスってこういう人なんだ」と自分の中でインプットされているので、そこまで意識しなくても自然とできるようになりました。もし劇中で瞬きしているシーンがあったら、たぶん目の調子が悪い時です、たまたま(笑)。

©︎entax

■監督からも信頼 これまでの経験が活きた“アクションシーン”

――劇中ではアクションシーンも見どころの1つですが、矢野さんご自身の“アクション”の経験は?

矢野 アクションに関しては今まで出演した他の作品でも時々やっていました。殺陣(たて)も刀だけじゃなく、過去にシェイクスピア作品の舞台『ヘンリー四世』のケンカシーンでは、素手で殴り合うアクションにも挑戦しました。そういった色んなアクションの経験が今回のキングオージャーでも、第20話でギラ(主人公)と激しく戦うシーンなんかには特に役立っていたのではと思います。

――“アクション”においても、“堂々”と演じられていたんですね。

矢野 「任せろ!」というほどではないですが、自分の中で「できる!」という自信はありました。アクション監督のジュンさん(渡辺淳)とは今回が初めましてなんですけど、僕の経験を買ってくれていたのか、作品を見てくれていたのか、実は特に(アドバイスや指導を)何か言われたりはしていないんです。僕がキングオージャーで初めてアクションをしたのはスピンオフの第1話なんですが、まずその場で僕の代わりの方がやってくれたのを見て、その後1〜2回練習したらもう“通し”って感じでしたね。ジュンさん(渡辺淳)が「矢野君だったら大丈夫でしょ」って(笑)。

――スピンオフ『ラクレス王の秘密』でもギリギリのところで剣をかわしていました。

矢野 実はあれ、本当にギリギリで避けてるんです(笑)。あのシーンを撮影した時、最初は結構遠い位置から剣を振ってもらっていたんです。結構多いんですよ、ケガをしないように気をつかっていただくこと。でも本当に攻めてもらわないと「ギリギリで避けている」と見えないのではと思ったので、僕の方から「本当に来てください。僕は大丈夫なので、気にしないでください」とお願いしました。その後はもう必死で避けましたね(笑)。改めてスーツアクターさんたちは本当にすごいなって思いました。

©︎entax

――今後も“アクション”に挑戦していかれますか?

矢野 役者としてもう少し体を作りたいなっていうのがあって、ボクシングとかもまた行こうかなって思ってます。ずっとガリガリで今も細いんですけど、30歳を超えて、もう少し役者として自分の引き出しを増やすためには見た目も大事なのかなと。一時は筋トレにもかなり通っていました。

――“アクション”における目下の目標を教えてください。

矢野 役者として“自分にないもの”、“自分がやっていないこと”というのはどんどん減らしていきたいと思っています。ですので、次は仮面ライダーにも挑戦したいですね。半分冗談ですが、半分は本当です(笑)。

©︎entax

【矢野聖人(やの まさと)Profile】
1991年12月16日生まれ、東京都出身。2010年にホリプロ創業50周年を記念して実施された蜷川幸雄演出の舞台『身毒丸』主演オーディションでグランプリを受賞。同年のテレビドラマ『GOLD』で俳優デビュー。その後はドラマ『リーガル・ハイ』シリーズや『ラジエーションハウス〜放射線科の診断レポート〜』シリーズ、映画『もし高校野球の女子マネージャーがドラッカーの『マネジメント』を読んだら』『空飛ぶタイヤ』『燃えよ剣』など人気作に次々と出演。2023年11月17日公開の新作映画『車軸』では主演を務める。

『王様戦隊キングオージャー』
スーパー戦隊シリーズの第47作。バラバラだった5つの国の王様が団結してヒーローとなり、人類滅亡を目論む強敵に立ち向かっていく物語。“5人の王様×昆虫ロボ”という組み合わせはスーパー戦隊シリーズ史上初。また国内でも稀(まれ)な最新の制作方法をとっており、LEDウォールを使ったバーチャルプロダクション技術で迫力あるシーンを展開。2023年9月より新章へ突入。舞台を宇宙へと移し、物語の壮大さはさらに増している。

2023年3月5日より毎週日曜あさ9:30〜テレビ朝日系24局で放送中。
出演:酒井大成、渡辺碧斗、村上愛花、平川結月、佳久創、池田匡志、矢野聖人 他

矢野聖人 公式X
矢野聖人 公式Instagram
王様戦隊キングオージャー 公式HP

写真:©entax

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