田中圭、ダメ親父役に挑戦「クズに徹しました(笑)」 連続ドラマW『OZU』舞台挨拶

2023.10.26 11:50

俳優の田中圭、監督の城定秀夫が10月24日に都内で行われた第36回東京国際映画祭の連続ドラマW『OZU~小津安二郎が描いた物語~』の舞台挨拶に登壇。本作で演じた役についてや、城定監督が田中に出演をオファーしたきっかけを明かした。

本作は小津安二郎生誕120年を記念し、初期のサイレント映画6作をオムニバスドラマとして現代リメイク。田中は第1話『出来ごころ』の主演を務めた。

田中は、自身が演じた“酒や博打に夢中になってしまうダメ親父・喜八”を演じたことに対し「喜八は憎めないクズで。何でかわからないけど体感的に“憎めないクズ…できなくはないな”と感じて」と笑顔で話し、笑いが起こった。

田中圭 ©entax

田中は「でも原作を見ると当然プレッシャーを感じたり」と撮影時の不安を告白。息子の富夫(富坊)を演じた子役・森優理斗について「(2人の)関係性を一番重視しようと、撮影現場でコミュニケーションを意識したり。でも素敵な俳優さんで“富坊”に仕上がっていたので」と森優理斗を称賛し、自身は「撮影に入ってからはクズに徹しました(笑)」と喜八役に力を注いだと語った。

城定監督と田中の関係は、昨年公開された映画『女子高生に殺されたい』で監督と主演としてタッグを組んでいる。再びタッグを組むことになったきっかけについて、城定監督は「(キャスティングの時に)田中さんの名前も上がったんですけど、役的にどうなのかなという思いがあって」とキャスティング当初の本音を告白。

監督の城定秀夫 ©entax

城定監督は「そんな中、深夜に(田中さんが主演のドラマ)『死神さん』の再放送を見て、変な(キャラの)田中さんで、“こういうキャラもできるんだ”と思って、勢いで提案をしました」と田中に出演をオファーをしたきっかけを明かし、会場からは拍手が起こった。

すると田中は「城定さん大好きで、また一緒にやりたいなと本当に思っていたので、城定さんからのオファーを聞いた時、僕は“本当か?そんなことあるのか?”と言いつつも二つ返事で“もちろんやります、やったー”って感じだった」とオファーを受けた時の心境を語った。

田中圭 ©entax

出演のきっかけがドラマ『死神さん』と知って驚いた田中は「まさか儀藤堅忍(ぎどうけんにん)がつなげてくれるとは…色々な作品をやってみるものだなと」と作品を振り返りながら「今ちょっとテンション上がってます」と笑顔を見せ、笑いを誘った。

最後に田中は「小津さんの90年前のサイレント映画なんですけど、そこに現代なのか何なのかわからないところにうまく落としこんでいる、新しいものが生まれたリメイク作品だと思っています。全部で6作品、小津さんの世界を描いています。ぜひ楽しんでください」とメッセージを送り、イベントを締めくくった。

©entax

【連続ドラマW『OZU~小津安二郎が描いた物語~』】

小津安二郎生誕120年記念。“世界のOZU”の原点である初期サイレント映画6作を、気鋭の映画監督6人がオムニバスドラマとして現代リメイク。
第1話『出来ごころ』
小津安二郎監督の人情喜劇『出来ごころ』(1933)を城定秀夫監督がリメイク。酒と博打に夢中の喜八は、妻と別れ息子の富夫とふたりで暮らしていたが、偶然出会った春江に惹(ひ)かれ熱を上げてしまう。

■監督:城定秀夫
■出演:田中圭、渡邊圭祐、白石聖
■公式サイトはこちら

©entax

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