日本のハンバーガーは世界トップレベル!?『World Food Championships』予選の見どころを解説

2023.11.9 16:00

現地時間の11月8日から5日間、アメリカ・テキサス州ダラスで行われる世界最大のフードスポーツイベント『World Food Championships』(以下、WFC)。

「ステーキ」「バーベキュー」「ハンバーガー」「スープ」「デザート」など12種目の世界一を決めるこの大会に、“ハンバーガー日本代表”として出場の切符をつかんだのは、『Japan Burger Championship 2023(以下、JBC)』のチャンピオン『Burger Big Bang Project(バーガー・ビッグバン・プロジェクト)』と、前年のチャンピオンでWFC6位入賞を果たした『SHOGUN BURGER(ショーグン・バーガー)』の2チームだ。日本予選となったJBCとWFCとでは審査方法に違いもあり、そのあたりをめぐる駆け引きも大会の見どころとなりそうだ。

◆前大会で6位と健闘した『SHOGUN BURGER』にWFC本部も注目か

JBCの主催者で飲食コンサルタントの中島輝行さんによると、WFCには視察の年を含めて過去に2度、日本のチームが参加しているという。今大会にシード枠で出場する『SHOGUN BURGER』は、去年の大会で世界各地から約30チームが参加するなか6位と大健闘。決勝では春菊の天ぷらや長ネギ、手刻み和牛ビーフのパティなど日本ならではの食材に、日本刀のデザインのハンバーガーピックを突き刺した「Sukiyaki Burger Dallas Ver.」で、世界の強豪たちと渡り合った。初出場にもかかわらず大会6位入賞を果たした『SHOGUN BURGER』は、確かな爪痕を残し、大会関係者や常連のチームを大いに驚かせ、今年もどんな衝撃を与えるか、WFC本部からも注目される存在だという。

また、去年の大会で第2位になったドバイのチームが、バーガーバンズを日本人が経営するベーカリーから提供してもらっていたり、フランス代表チームが、日本の「グルメバーガー」を参考にしたという事実から、業界に精通している人たちにとって、日本のハンバーガーは最先端のものという認識もあるようだ。

無類のハンバーガー好きである中島さんは、毎年アメリカで本場の味を食べ歩いていても、日本のお店を超える一品に出会うことがなくなったことから、「今の日本のハンバーガーは間違いなく世界トップレベルだと思う」と胸を張る。

そして『SHOGUN BURGER』とともに、世界の強豪に挑むもう一方の日本代表、JBC2023年大会の覇者『Burger Big Bang Project』のヘッドシェフ渡邊貴広さんは、最盛期には年商1.4億円を築いた伝説の名店「BakerBounce三軒茶屋」の創始者としても知られるハンバーガー界の実力者だ。JBCの決勝ではパティ、コンビーフ、サーロインステーキを挟み込んだ肉尽くしの「ハッシュドクランチMEAT BOMB」で見事優勝を果たした。

ハンバーガーの本場アメリカという、いわばアウェイでの戦いだが、開催地のダラスには日本の食材を取りそろえるスーパーマーケットもあり、日本代表チームの追い風となりそうだ。両チームとも現地到着後、下見に向かうようである。

◆通常審査に加えて観客による投票で上位7チームが決勝へ

10日に行われる予選では、アメリカを始め、フランス、韓国、ドバイなどから総勢20チームが参加。味、調理の正確さ、見た目の3点を審査のポイントに、「国際的な味」をテーマにしたハンバーガーを完成させることなど、大会概要は前回の記事でお伝えした通り。本記事では日本予選となったJBCと、WFCとの違いについて語ってみたいと思う。

大会概要はこちら

JBC2023年大会では「チーズバーガー」をテーマに12店舗が日本一の座を争った。こうした“お題”が設けられている点はWFCも共通しているのだが、その審査方法は少し異なっている。JBCでは“ハンバーガーマニア”や“ビールソムリエ”など、各分野のスペシャリスト4人によって審査が行われたが、WFCでは審査員によるスコア審査だけでなく、観客たちによる一般投票も行われる。今年の大会からの試みだそうだ。それでは予選ラウンドの審査方法について詳しくみていこう。

まず審査基準となる味、調理、外観の3つのポイントについて、1(食べるに値しない)から 10(完璧!)のスケールで評価されるスコア審査で、20チームから決勝に進む上位4チームを選出。さらに「マスタージャッジ」と呼ばれる特別審査員が全チームの調理工程を監督し、興味深い材料、画期的な調理技術、アイデア等を基準に、決勝ラウンドに推薦したいチーム3〜4組をノミネート。そのうちスコア審査の4チームに該当しなかった上位2組が、5枠目、6枠目として決勝に駒を進める。

そしてスコア審査にもマスタージャッジによる審査にも漏れてしまったチームのうち、スコアの最も高い2チームが「ピープルズチョイス」と呼ばれる観客審査の挑戦権を獲得。予選ラウンドの翌日(ハンバーガー部門の場合11日)に、100人前の“一口料理”を作り、観客に投票してもらい、より票を獲得したチームが7枠目として決勝ラウンドに進むことができる。

漫才日本一を決めるお笑いトーナメントの“敗者復活戦”のように、一般投票で勝ち上がったダークホースが大番狂わせを演じる存在となるのか。ショーとしては大いに盛り上がる趣向となりそうだ。entaxでは予選・決勝ラウンドともに見どころ、結果をお伝えする予定だ。

【World Food Championships 2023】
開催期間:2023年11月8日(水)~12日(日)5日間(現地時間)
ハンバーガー部門 :予選ラウンド11月10日(金)(現地時間)
決勝ラウンド11月12日(日)(現地時間)

写真提供:JapanBurgerChampionship

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