アニメ『俺だけレベルアップな件』原作勢待望 紅血のイグリット戦… “体感5分の神回”に「ここ数年のアクション作画で一番」の声

2024.3.28 17:45

3月23日(土)よる12時より、アニメ『俺だけレベルアップな件』第11話「A Knight Who Defends an Empty Throne(空の玉座を守る騎士)」が放送された(TOKYO MXほか)。「転職クエスト」に挑んだ主人公・水篠旬(みずしの しゅん)は、かつて“カルテノン神殿”で感じたものと同レベルの威圧感を持つ騎士・紅血のイグリットと相対す。イグリットはOP映像にも登場していることから重要な立ち位置のキャラクターであることがうかがえるほか、“原作ファン”からは「最大推し騎士団長、紅血のイグリットの登場が熱い!熱すぎる!!」「イグリット登場で大興奮!!やっぱめっちゃカッコいい!」と大人気。戦闘シーンにおいては「映画クオリティーで嬉(うれ)しい」「ここ数年のアクション作画で一番だったんじゃないでしょうか」「戦闘描写本気で神過ぎた…」など、迫力ある作画に絶賛の声があがったほか、約30分の放送時間に対して「もう終わりか。体感5分」と、ついつい見入ってしまったファンが多かったようだ。

(以下、アニメ最新話までのネタバレを含みます)

◆“回復なし”の転職クエスト

「これだけ街から離れていれば大丈夫だろう。何が起こるか分からないからな…」。山の稜線(りょうせん)に陽が沈みかけた頃、旬は人気(ひとけ)のない森の中にいた。【ウィンドウ】を開くと、そこには“【転職クエスト】を受けてみませんか”というお知らせ文。D級ハンターの諸菱賢太(もろびし けんた)とともにC級レイドを重ねる中、レベル40を越えた際にウィンドウから提示されたものだ。普通に考えれば、職業に応じたスキルが得られる期待のイベント。「(俺はもっと強くなれる…!)」。旬は口元に笑みを浮かべ、【ダンジョン】へつづく【ゲート】を開くのだった。

転職クエストのゲートに足を踏み入れる旬

真っ直ぐな回廊、並ぶ燭台、ゴシック様式を思わせる尖塔型の天井。ダンジョン内は思っていたよりシンプルだった。だが、ウィンドウには回復するためのポーションやレベルアップ時の“状態の回復”が使えないこと、さらにはクエストを完了するまで出られない旨が表示されており、難易度の高さがうかがい知れる。どうやらアイテムを購入できる“ストア”さえ使えないようだ。

「(いろいろ考えて動かないとな…)」。そう思った矢先、通路の奥からギシギシと鈍い“足音”が聞こえてくる。ゆっくりと姿を見せたのは、全身が鎧のモンスター“KNIGHT(ナイト)”。ウィンドウの表示はオレンジ色。おそらく旬と同じくらいの強さだろう。向かい合う両者が一斉に駆け出すと、初手は旬の攻撃がヒット。“麻痺”と“出血”の効果を持つ短剣【カサカの毒牙】で、敵の全身を切り抜いた。…だが。

「(効いてない?!)」。敵は全くの無傷。それならばと、今度はクリティカル効果のあるスキル【急所突き】で胸元をとらえる。…が、それでも貫くことはできない。“表皮の硬い敵”を前に、旬の脳裏には以前戦った“大蛇のモンスター”がよぎる。旬はあえて短剣を捨て、“からて”状態に。素早く敵の背後へ回り込むと、鎧(よろい)の肩と首元に手をかける。両手はそれぞれ対極へ向かいながらギリギリと音を立て、やがてモンスターの体を頭部とそれ以外に引きちぎった。

旬は大きなため息をつく。結果として倒すことはできたが、スキル一回分のMPを無駄に使用してしまった。しかし後悔もつかの間、旬の前にはさらなる敵の軍勢が出現。しかも先ほどの鎧モンスター以外にも魔法使いタイプや隠密タイプなど種類も様々…。「思ったより面倒なクエストだな!」。相手によって役立つ能力が異なり、“筋力”や“感覚”などこれまで鍛え上げてきた能力の成果が如実に現れる。「(早く終えなければ…!)」。呼吸は荒く、汗を流しながら戦い続ける旬。ウィンドウに表示された“疲労度”は、66にまで上がっていた。

以前インスタンスダンジョンで旬が戦った【青毒牙カサカ】 表皮が硬く、最後は腕力で喉元を押しつぶし撃破した
(画像は第4話より引用)

◆空の玉座を守る騎士

ようやく一息つける頃、細長い通路の上はモンスターの骸(むくろ)だらけになっていた。休息することで疲労は自然と回復。倒したモンスターからはいくつかの“装備品”を入手できた。例えば【上級ナイトの胸当て】は物理ダメージを7%減少させる。ウィンドウの“システム”による効果だろうか、装備は身につけると同時に透明化されるようで動きを妨げることもない。「(そろそろ次の“ステージ”に進んでみるか…)」

薄暗い回廊を歩き進んでいくと、豪華な装飾が施された巨大な扉が顔を出す。この先にいる敵はどれほど強いのか…。そんなことを考えながら旬はゆっくりと扉を開けた。すると直後、旬の体を突風が突き抜ける。「(身震いしそうなこの空気…)」。眼前に広がるは、“王の謁見(えっけん)室”。そして、立ちはだかるは…。「(目が、耳が、指先が、全身が覚えている。二重ダンジョンで感じたものと同等の威圧感だ…)」。赤き鎧の騎士が一人、【騎士団長・紅血のイグリット】。赤黒いウィンドウの表示は旬の力を凌駕(りょうが)する強敵であることを示していた。

玉座を守るように立ちはだかった騎士団長・紅血のイグリット

まるで宣戦布告をするかのように、イグリットは旬に剣を向ける。「(来る…!)」。カサカの短剣を手に旬が身構えた直後、敵はすでに目の前まで迫っていた。刹那、足元から肩まで一直線の逆袈裟斬り。切っ先が描く一筋の線は赤白い光を発し、旬の背後、巨大な柱を粉々に砕いた。「(強いなんてもんじゃない…!)」。戦いの狼煙(のろし)が上がったわずか数秒で、旬は劣勢に立たされた

イグリットが振るう高速の剣技は、時に衝撃波を飛ばし、時に地面を割る。こちらのガードがギリギリで間に合ったとしても、スピードを上乗せした敵の攻撃は旬の体を軽々と弾き飛ばした。それでもなんとか一瞬の隙をつき、旬はその“体”に攻撃をヒットさせる。だが、硬い鎧がそれを遠さない。「(想像以上に強敵だ…。けど!)」。旬は“これしかない”と、構えていた短剣を【インベントリ】にしまう。武器を持つはるか強敵と、旬は徒手空拳で向かい合った。

…すると、劣勢においてなお冷静に勝利の道を模索する旬を見て何を思ったのか、イグリットは剣を床に突き刺した。おそらくは“騎士道”。その行為はかえって、旬の心に火を付けた。「余裕ぶっこいてんな…!」。だが、肉弾戦に持ち込んでも戦況はなかなか変わらない。むしろ剣を捨てた分、イグリットのスピードは増しているようだった。旬の胸ぐらをつかみ、その体ごと振り回す。壁に叩きつけたところを追撃し、殴打の嵐を見舞う。「(ガードしたのに…)」。防戦一方の旬の腕は、すでに赤黒く腫れ上がっていた。もしも事前に防具を装着していなかったら、命を落としていたかもしれない…。「(剣を捨ててもこの力…強すぎる…!)」

カルテノン神殿で遭遇した“神像” 当時と同レベルの威圧感を放つイグリットに旬は…(画像は第2話より引用)

◆決着

攻撃力で敵(かな)わないのならば…。旬はスキル【疾走】を発動させると、敵の周囲を縦横無尽に駆けながら攻撃に転じていく。だが、これにもイグリットは動じない。逆に旬の攻撃の隙をついて、反撃を加えてくる。弾かれ、防がれ、吹き飛ばされ…、旬は徐々に体力を削られていく。そんななか、突如 旬のパッシブスキル【Willpower(意志の力)】が発動。HPが30%以下のとき、被ダメージを減らしてくれる。

今が好機だと言わんばかりに、旬は防御を捨て敵の懐へ飛び込んだ。まるで重力を無視したラッシュの応酬。旬は逆立ちの状態になりながらも、全身をコマのように回転させ蹴り込んでいく。そしてついに、イグリットの首元をとらえた。……一瞬、時が止まったかのような静寂。刹那、イグリットの怒りの咆哮(ほうこう)が鳴り渡った。

そこからは、もはや戦いとも呼べぬほど一方的な攻撃が続く。かすかに見えた勝機は瞬く間に閉ざされ、旬は空の玉座へと倒れ込んだ。……再び、剣を手にするイグリット。ゆっくりと振り上げた切先は旬の首元に狙いを定める。振り抜かれた剣は衝撃波を生み、“ドンっ”と重たい轟音(ごうおん)を響かせた。

…見ると、イグリットの刃は旬の首を目前に止まっていた。巨大な柱も小枝のように砕いたその攻撃を、旬はなんと片手で受け止めている。「俺は…まだ…、負けちゃいねぇえええええ!!!!」。旬は咄嗟(とっさ)にカサカの短剣を取り出すと、敵の右目目掛けて突き抜いた。直後、耳を切り裂くような悲鳴。完全に不意をつかれたイグリットは刺された短剣を抜き取ると、逆に自らの武器に変えて反撃の体制を取る。

だが、そこに隙が生まれた。旬の“所有物”はインベントリを通じて、また旬の手元へ戻ってくる。イグリットの攻撃は空振りに終わり、戦況は一気に旬へと傾いた。弱点と見られる首元を何度も突き刺し、その度に“急所突き”のスキルが発動。ついに事切れたイグリットは、力なく崩れ落ちたのだった…。

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画像提供:©Solo Leveling Animation Partners

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