Awich「まさに私こそめちゃくちゃ“ゲリラ戦”」頂点に立つことへの強い意志が込められた曲『Guerrilla』テレビ初披露
2024.3.29 18:00ヒップホップ界の女王・Awichが3月13日(水)日本テレビ系情報番組『DayDay.』(月~金/あさ9時~)の『boom boom!』コーナーに初の生出演。最近ハマっている“空手”披露や、娘・鳴響美との関係性を明かした。さらに、最新アルバム『THE UNION』から『Guerrilla』をテレビ初披露。そして、entaxでは出演直後にインタビューを行った。
【Awich】
2020年にメジャーデビューを果たし、わずか2年後の2022年には日本武道館で単独公演を達成。そして昨年、アジアで初開催された世界最大のヒップホップフェス『Rolling Loud Thailand』に日本人として初めてメーンステージに出演する快挙を果たした。そんな彼女は14歳の時、地元・沖縄でラップを始め、高校卒業後にアメリカへ留学。21歳でアメリカ人男性と結婚し、娘・鳴響美(とよみ)を出産。しかし、結婚から3年後、夫が事件に巻き込まれ死別。一度は歌うことをやめたが、日本へ帰国後、30歳で音楽活動を再開した。これまでの壮絶な経験や自分の生き様をリアルにつづった歌詞で、幅広い世代から多くの共感を呼んでいる。
Awichが登場すると、水曜メンバーで同じ沖縄県出身の知花くららはテンションが上がり、「本当に大好きです!家族ともども大ファンで。沖縄の星ですから」と思い伝えると、Awichは「うれしい、ありがとうございます」と照れくさそうな笑顔を見せた。
◆Awich 37年間のヒストリー
MCの南海キャンディーズ・山里亮太が「ラップを始めたきっかけは?」と質問。Awichは「小さい時からポエムとか日記を夜眠らずにずっと書いてたんです。14歳の時にアメリカの伝説的なラッパー、2PACの音楽に出会って、“これだ!”ってビビッときて、書き始めたらできちゃって(笑)ラップに出会った時点から私はラッパーだって名乗ってました」と語った。
MCの武田真一から「歌詞でご自身の葛藤とかプレッシャーを赤裸々にさらけ出すことは怖くないですか?」と直球な質問にAwichは「怖いです」と即答。しかし、「ただただ強い人間として見られていると、誰も共感できないし助けられない。きついことや葛藤もあるんだよって見せることで、今葛藤を感じている人や苦悩の中にいる人に“一緒にやろう”って手を差し伸べることができるかなと思って、つらい思いもがんばって書くようにしています」と自身の音楽へのこだわりを明かした。
◆娘・鳴響美との関係性 2ショット写真を紹介
娘について、一緒にステージに立っていると話すAwichは「親としてめっちゃうれしくて。すごく楽しいです」と笑顔を見せた。15歳にしてすでにステージに立っている娘も、将来の夢はアーティスト。その夢にAwichは「うれしいし、厳しくしちゃいます。“私に教わるならめっちゃ厳しくやるよ?”って(笑)」と目を見開き、笑いを誘った。
さらに親子関係について「私の目標を共有しているので、仕事に巻き込んでいます。だから、ライブとかにも出すし、リハーサルも。共有していることが多いから、自分の目標に向かっていても、一緒にいる時間は増えます」と明かした。
AwichのInstagramをいつも見ていると話す知花が、娘さんについて「大人っぽいというか、達観したようなところがありますよね」と問いかけると、「確かに。(鳴響美が)小さい時、私がつらい時を一緒に経験しているから、乗り越えた感はすでに持ってるかも」と語った。
◆ハマっていることは…
そして、Awichが今ハマっていることを紹介するトーク企画へ。沖縄発祥と言われる“空手”にハマっていると紹介し、“空手の型”をスタジオで披露することに。Awichは「ちょっとだけどいいですか?(笑)」と笑い、「でもこういう格好なので…アクションムービーみたいになっちゃいますけど…」と高さのあるヒールと丈のある衣装のため難しいと言いつつも、圧巻の“空手の型”を披露。
スタジオから拍手が起こり、山里は「かっこよかった!何がすごいって、足元超やりづらいからね!」と驚くと、Awichは「めっちゃヒールなんですよ!だからちょっと力強くできなかった」と笑顔で答えた。空手について「昔からやっていたんですけど…音楽活動を再開して日本とアメリカを行き来していた頃、なかなか東京で道場を見つけられなくて途中で休んでいました。でも、去年くらいからまた海外に行くことが増えて、沖縄って言うと“Oh~KARATE”“空手でしょ~!”みたいに言われて(笑)“あっ私、そのために昔から空手をやってたんだ”って思い出して。最近からまた始めました」その言葉に沖縄愛を感じた様子の武田は「沖縄の心ですもんね」とAwichに微笑みかけた。
◆『Guerrilla』テレビ初披露
そして、歌唱披露へ。今回披露した『Guerrilla』はアルバム『THE UNION』の収録曲。この曲についてAwichは「ゲリラっていう名前の通り、ゲリラ戦。今の状況が不利でもゲリラ戦で天と地が入れ替わるくらいの奇跡が起こる可能性があるよ、だから負けずに挑戦してくださいという応援歌です」と曲に込められた思いを明かした。
歌唱スタンバイに入ると、ダンサーチームと目を合わせ、さらにファンである知花の興奮気味の姿に優しい笑顔を見せたが、照明が暗くなると、曲名のごとく“女戦士”のようなきりっとした表情に一変。そして『Guerrilla』のテレビ初歌唱がスタート。
歌唱披露を終えると、言葉一つ一つに重みのある歌詞とラップスキルに、スタジオは拍手に包まれた。山里が「終わった瞬間、この感情をどう表していいかわからないから知花さんが自分を抱きしめてた」と知花の感極まる様子に突っ込み、笑いが起こった。知花は「もうかっこよくて…もう涙が出てきちゃった」と“笑顔で”涙ぐんだ。山里は「大事なライブの前のこれ聴こうって思いました。やる気が引きずり出される」と称賛。
最後にAwichから「今日も1日奇跡が起こるかもしれないので、皆さん無事に最後まで果敢にチャレンジしてください、ピース!」とメッセージを送り、コーナーを締めくくった。
◆番組出演直後、entaxがAwichに独占インタビュー
――初出演となった『DayDay.』はいかがでしたか?
めっちゃうれしかったです。みんなにお褒めの言葉をいただいてウハウハ状態でした(笑)感動して泣く曲じゃないのに“はぁ♡”みたいな…そいう現象が起こっていましたね(笑)
――『Guerrilla』の歌詞について。ご自身の経験や意志を重ねた部分もあるのでしょうか。
もちろん、自分の経験を歌にしています。このラップをするにあたって、ヒップホップのシーンって男性が優位なんですよ。本当に。女性がトップに輝くことなんて、数年前には考えられなかったこと。今、私はチームみんなの協力もあり、“いい線に来ている”っていうこととか。私は10年ぐらい音楽をやめていて、“これからの音楽のキャリアなんてどうなるんだろう”みたいなところからの挽回(ばんかい)だったので、まさかこんなシングルマザーの未亡人でもある、沖縄の女がこんな風に応援の言葉をいただけるなんて、夢には見ていたんですけど、現実になるっていうことを考えると…まさに私がここまで来たのは“ゲリラ戦”だったっていうか。どこからともなくやってきたこいつ誰?みたいな(笑)そういう気持ちで作った曲です。まさに私こそめちゃくちゃ“ゲリラ戦”!ものにしてきた結果、ここまで来てるから。今自分が有利な状態じゃないなって思っている人とか、いろんなチャレンジをしていて“こんな不利な状況も無理だ”って思っている人とかにも、ちょっと光を与えるような曲にしたいなと思って作詞しました。
――強い意志が込められているということにちなんで、最近、強く決意したことはありますか?
“やっぱり優しくいよう”って、最近思いました。人にいじわるとか、ちょっと冷たい態度とかを取ると、後で後悔することが多くて(笑)。若い頃、そういうことがめちゃくちゃ多くて、とげとげしかったんです(笑)。そこでいっぱい失敗して、30代は“強さは優しさだ”と思ってやってたんですけど。最近、弱ってる時の自分ほどちょっと冷たくしちゃうなって感じて。ちゃんと強い自分でいることの象徴として“人に優しくする”って大事だなって思いました。“空手に先手無し”って言葉があって、空手は自分から攻めないんです。弱いから、逃げたいからじゃなくて、一撃で相手を仕留めるくらいの強さを持っているから、逆に“平和にやろうぜ”って言えるんです。だから、自分の芯の強さがあったら、どんな人でも受け入れられる。どんな状況でも“大丈夫”みたいな、“なんくるないさ~”みたいな(笑)気遣いとか足りない部分はあるんですけど、優しい方が楽しい人生だなって再確認を最近しました……何があったの?って感じですよね(笑)そこは聞かないでください!(笑)
――番組で披露された“空手の型”に驚きました!
本当ですか!こんなアクセサリーじゃらじゃらで(笑)ヒールでもあるからあんまり力強くできなくて、フラフラしてて先生が見たら怒るだろうな(笑)空手は基本的には毎週行くようにはしています。
番組放送後、SNSでは「ゲリラ初披露、朝からぶちあがる!」「最高!泣きそう!パワーもらえた!」「生き様がかっこいい」「今日もがんばれそう!」「空手に勇気をもらいました」など、Awichのパフォーマンスや人柄に勇気をもらったファンの声が寄せられた。さらにAwichは、Instagramのストーリーで、ファンが感想を載せた投稿を自身のアカウントに投稿。ファンを思う気持ちがあふれていた。
【リリース情報】
最新アルバム『THE UNION』発売中
Digital
CD&LP
【Awich Profile】
1986年、沖縄県那覇市生まれ。Awichは本名の漢字の直訳であるAsia Wish Childを略した造語。
2006年にEP『Inner Research』でデビュー。同時期に米国アトランタに渡る。ストリートライフに身を置きながらファーストフルアルバム『Asia Wish Child』を制作し、2007年にリリース。翌年、アメリカ人の男性と結婚し、長女を出産。2022年にリリースされたAlbum『Queendom』は、Appleアルバム部門総合1位を獲得。
シングル『RASEN in OKINAWA』は各チャートでの1位を記録。2022年には初の日本武道館公演を開催。
2023年には、初の全国Zeppツアーに加え、Album『THE UNION』をリリース。11月には自身初のアリーナワンマンライブ『Queendom -THE UNION- at K-Arena Yokohama』を開催し、SOLD OUT。海外にも活躍の場を拡げている。