【先週読まれた人気記事】アニメ『薬屋のひとりごと』 羅漢と鳳仙の哀しい過去が明かされる回に「少し見直した」「こんな悲恋物語が…」

2024.3.30 11:20

アニメ『薬屋のひとりごと』の第23話『鳳仙花(ほうせんか)と片喰(かたばみ)』が3月16日に放送された。青い薔薇を完成させた猫猫(マオマオ)だが、ついに実の父、羅漢(ラカン)と対峙することに。軍師であり象棋(シャンチー)も得意な羅漢に、猫猫は条件付きの象棋の勝負を申し込む。その条件とは、猫猫が勝ったら羅漢は緑青館の妓女を身請けすること。勝負の行方を壬氏(ジンシ)と高順(ガオシュン)が見守る。

(以下、アニメ最新話までのネタバレを含みます)

◆ついに猫猫と羅漢が親子直接対決!勝負の行方は!?

青い薔薇の作戦も失敗し、とぼとぼと歩く羅漢。“他者は全てボードゲームの駒でしかなく、適所に配置する事で成り上がった“という羅漢の視界に入る人間は、全て将棋の駒や碁石に見える。そんな彼の目の前に、猫猫が現れる。その指には、赤い爪紅(つまくれない)が施されていた。猫猫は羅漢に象棋での勝負を挑む。

勝負は先に三勝した方が勝ちの五回戦。そして、猫猫の提案でお互いに“賭け“をしてこの勝負に挑むことに。羅漢は「それは話が早い。私が勝てば、うちの子になってくれるね」と先制攻撃。一方、猫猫は「私が勝てば、緑青館の妓女をひとり、身請けしてもらえないでしょうか?」と提案し、羅漢もそれを了承する。
さらに、猫猫は2つのルールを提案した。1つは5つの杯(さかずき)のうち3つに毒を入れシャッフルし、勝負1回ごとに、勝った方が1つ選び、負けた方がそれを飲むこと。その毒は1杯分なら害はないが、3つも飲めば猛毒になるという。

もう1つはたとえどんな理由があろうとも、試合を放棄したら負けを認めるということ。猫猫の提案に、羅漢はニコニコと笑い、揺さぶられている様子はない。そして、壬氏と高順の立ち合いのもと、象棋の勝負が始まった。

しかし、相手は軍部では象棋で負けなしの羅漢。ルールしか知らない程度の猫猫では全く歯が立たず、あっという間に2連敗。猫猫は杯を飲み干すが、猫猫の表情からはそれが毒入りかどうかはわからない。
3戦目は猫猫が勝利を収める。しかし、これは羅漢にとっては、娘の猫猫に致死量の毒を飲ませないように、残りの毒入りの数を探るための敗戦であるのは、誰の目から見ても明らかだった。

そして、羅漢はを取って飲み干すと、「嫌な味だ…」とつぶやいた。羅漢が飲んだのは毒入りの杯だった。これで猫猫が3杯目に毒を飲む心配はなくなる、それは同時に、羅漢がこれ以上負ける必要がないということになる。これで猫猫に勝ち目はない、と壬氏が絶望したその次の瞬間、血の気が引いて行き、羅漢はその場に倒れ込んでしまった。

「いくら憎らしいからと言って、本当に毒を盛るなんて」と慌てる壬氏だが、倒れている羅漢をよく見てみると、どうやら酔い潰れているだけのようだ。実は、猫猫が杯に入れていた毒の正体は、アルコール。羅漢は下戸で、少しの酒でも酔い潰れてしまうのだった。この勝負は、猫猫の作戦勝ちに終わった。

◆不気味な男・羅漢の哀しい過去にSNSも涙

そして、物語は、羅漢の過去にさかのぼる。生まれた時から、人間の顔を認識できなかった羅漢。そんな彼を父は見限り、これでは役に立たぬと、愛人の元に通うようになった。そんな家庭環境で、羅漢は名家の長子でありながら、碁と象棋にのめり込み、奔放(ほんぽう)に生きていた。

父親に見捨てられた羅漢の唯一の理解者が、叔父貴だった。「顔ではなく、声や素振り、体格で人を覚えるんだよ」という叔父貴の教えにより、羅漢の目には、次第に人の顔が駒に見えるようになった。成長し、軍部の長になった羅漢は、象棋で培った戦術眼で、優秀な軍師として活躍する。

そんなある日、付き合いで行った妓楼で、羅漢は象棋が強いと噂の妓女と対決することになる。赤い爪紅をしたその女の名は鳳仙(フォンシェン)といった。羅漢と鳳仙の対局は、鳳仙の一方的な勝利に終わる。あまりの大敗に大笑いする羅漢。ふと対戦相手の顔を見ると、鳳仙は駒ではなく、人間の顔として羅漢の目に映っていた。

それ以来、ひたすら碁と象棋を繰り返すだけの逢瀬(おうせ)が、何年か続いた。しかし、鳳仙の人気は右肩あがりになり、価格も上がり、だんだんと会う頻度も少なくなっていく。そのうち、鳳仙の身請け話も持ち上がるようになった。

そんな中、ある日の逢瀬で、羅漢と鳳仙はついに肉体関係を結ぶ。不器用な2人は逢瀬を重ねるうちに相思相愛になっていたのだった。それから3ヶ月後、叔父貴が失脚し、そのあおりを受け、羅漢も親の命令で後宮を出て遊学に出ることになった。そして同じころ、身請け話が破談になったと鳳仙から文があった。「半年ほどで戻ってこられる」と返事を送った羅漢。しかし再び後宮に戻ったときには、3年の月日が経っていた。

羅漢の机には、鳳仙からの文が山積みになっており、その中の一つに妙なものがあった。赤黒い染みがついた一通の文と、口の半分開いた巾着。その中には、細く黒いものと、小さくて黒いものが入っていた。
「ゆびきり…そんな呪いが流行っているのは知っていた」「身請け話が破談になった原因、あの袋に入っていた、もう一つの小さな指は…」と、自分が犯した罪の意味を知った羅漢は、大急ぎで緑青館に向かい、やり手婆に鳳仙について尋ねるが、手荒く殴られたのち「価値が落ちた妓女がどうなるかなんて、知ったこっちゃないんだろ!」と一喝された。

鳳仙は、羅漢との子供を宿していたのだ。店の名を汚し、信用と価値が地の底に落ちた妓女がたどる末路は明らかだ。大粒の雨の中、羅漢はいつまでも嘆き、泣き叫ぶのだった。

SNS上では「不幸なすれ違いが切ない」「苦手なタイプだったけど、少し見直した」「こんな悲恋物語が羅漢に隠されてるとは…」と、不気味だった羅漢のイメージを覆す悲恋エピソードに、視聴者も心を動かされたようだった。

画像提供:©日向夏・イマジカインフォス/「薬屋のひとりごと」製作委員会

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