山﨑賢人「もっともっとキングダムの面白さが広がっていったらいいな」日本人初となる『The Best from the East Award』を受賞
2024.7.24 18:15紀元前、中国春秋戦国時代を舞台に、天下の大将軍になるという夢を抱く戦災孤児の少年・信と、中華統一を目指す若き王・嬴政(えいせい)を壮大なスケールで描く漫画『キングダム』(原泰久/集英社)は、2006 年1月より「週刊ヤングジャンプ」にて連載を開始し、現在までに単行本の累計発行部数が集英社青年マンガ史上初となる1億部(2023年11月時点)を突破。そして、2000年以降シリーズ化された邦画実写作品で、1作目から3作連続で50億超えという史上初の偉業を達成している。
シリーズ史上最高傑作と呼び声の高い第4弾『キングダム 大将軍の帰還』が7月12日(金)に全国で公開となり、公開9日間で観客動員数200万人、興行収入30億円を突破。邦画実写歴代No.1のオープニング記録を打ち立てた。そんな大盛り上がりの『キングダム』が、ついに海外へ進出した。
1作目からシリーズを牽引(けんいん)してきた主人公・信役の山﨑賢人が、ニューヨーク・アジアン映画祭2024で、“日本人初”となる素晴らしい演技を披露した俳優に与えられる『The Best from the East Award』を受賞した。2002年 に創設されたニューヨーク・アジアン映画祭(New York Asian Film Festival/略称NYAFF)は、今年で23回目を迎える北米でもっとも由緒あるアジア系映画祭で、ニューヨークで高い期待と評価を得ているイベントの一つである。今年も7月12(金)~7月28日(日)で開催され、韓国・中国・タイ・フィリピンなどアジアから90作品以上が出品された。
授賞式の登壇に先駆けて、主人公・信を演じた山﨑が、現地時間7月19日に現地入りし、ニューヨークを代表する観光名所を巡った。最初に訪れたのは、世界三大美術館の一つ、メトロポリタン美術館。観光客があふれる入り口前の階段に到着すると「ニューヨークに来ました!(ニューヨーク渡航は)初めてです!街がかっこいいですね!」と自身初であるニューヨーク訪問に、高揚気味の山﨑だった。
その後、緑あふれるセントラルパークに場所を移した山﨑は、今回のニューヨーク・アジアン映画祭での受賞について、「日本だけじゃなく、ニューヨークでもキングダムが話題になっているんだ!という嬉(うれ)しさと驚きを感じます」と本作が海を越えて盛り上がっていることへの喜びを語り、明日キングダムが現地で初上映されることについて「(現地の方々は)どんな反応をするんだろう?って、すごく楽しみですね!(きっと)キングダムの良さは国に関係なく伝わるんだろうな」とその期待を口にした。
最後に山﨑が訪れたのは、“世界の交差点”とも言われるタイムズスクエア。さまざまな人とエンタメが集まり交差する圧巻の光景を目にした山﨑は「エンタメの1番の街で、キングダムが上映されるって、すごいテンションが上がりますね!ここで“ドカン!”と盛り上がってくれたら最高だなって」と率直な思いを話した。明日控える授賞式について聞かれると「キングダムの魅力を改めて自分の口から現地の皆さんに届けて伝わればいいなと思うし、スタッフ・キャストみんなで作り上げたものなので、代表して賞をいただいて“キングダム、ニューヨークに来たぞ‼”ということを残して帰りたいと思います!」と、熱い意気込みを語った。
そして現地時間7月20日、レッドカーペットセレモニーが行われた。セレモニー直前の山﨑に今の心境を聞くと「この(映画祭の)ためにここまで来たので、すごく楽しみです!賞をありがたくいただいてこれからの糧にできるように、キングダムチームを代表して受け取りに行きたいです!」と気合十分。本映画祭で上映されるキングダムのチケットは、発売後、即SOLD OUTという人気ぶり。場内にすでにたくさんの観客が集まっていることを聞いた山﨑は、「(このあと間もなく)キングダムがアメリカで初めて上映となることに、自分自身とてもワクワクしているんですけれど、お客さんに楽しんでもらえるように、スピーチも頑張りたいと思います!」と改めてその意気込みを語った。
20日12時、山﨑はリンカーン・センターで行われたレッドカーペットセレモニーに参加した。多くの海外メディアが集まる中、黒のフォーマルな衣装に身を包んだ山﨑が登場するやいなや、山﨑はフラッシュの嵐を浴びる。たくさんのカメラに「Thank you!」と声をかけながら笑顔を向け、最後にはキングダムポーズを決めながらレッドカーペットセレモニーを終えた。上映前に行われた授賞式では、『キングダム』シリーズを牽引してきた山﨑が『The Best from the East Award』という、日本映画とアジア映画全般における優れた功績を評価する世界の映画とエンターテインメントの展望に多大な貢献をしたアーティストを称える栄誉ある賞を日本人で初めて受賞した。
この賞の受賞理由をMCでありNYAFFディレクターであるSamuel Jamier(サミュエル・ジャミエ)氏は、「多くの映画やドラマを通じて日本だけでなくアジア全体、そして世界中に数多くのファンを持っていて愛されています。 特に『キングダム 大将軍の帰還』は、これまでのシリーズ3作で大ヒットを続け、多くの優れた俳優たちの演技が胸躍る興奮と感動を提供しています。山﨑さんは、このシリーズの主役として魅力的な熱演と感動的な演技を披露し、爽快なアクションシーンでも見事なパフォーマンスを見せてくれました」とコメントを寄せ、ステージ上で「童信、素質がありますよ」と『キングダム』らしく王騎将軍の言葉にのせてトロフィーを渡した。
これを受け、山﨑は「Hello everyone. My name is Kento Yamazaki. It’s great honor to be here today.」(皆さんこんにちは、山﨑賢人です。ここに来れてとても光栄です。)と、英語で堂々としたスピーチを披露し、会場は大いに盛り上がりを見せた。そして、山﨑は「今回このような賞をいただけて本当に嬉しく思います。キングダムという作品は自分にとってもすごく大切な作品の1つです。20代の7年間をキングダムという作品、信という役とともにもう一つの人生のように生きてきました。1人では、このような賞をいただくこともできなかったと思うので、キングダムを愛していただいている皆さんにこの場を借りて感謝を伝えたいです。ありがとうございます!」と、緊張しながらも観客に向かって丁寧に感謝の言葉を述べた。
そして、「日本の最高のスタッフ・キャスト、みんなで作り上げたからこそ、この賞をいただけたと思うので、チームを代表してこの賞をいただきたいと思います。(トロフィーが)すごく重いです!今回初めてニューヨークの皆さんに大スクリーンでキングダムを観てもらえること、本当に嬉しく思います。これを機に海を越えてキングダムが皆さんに愛してもらえたら嬉しいです。」「Thank you, NewYork!Enjoy Kingdom!」と、飛信隊の隊長さながらに堂々としたスピーチで会場を大いに沸かせ、トロフィーを高らかに掲げた。
授賞式後は、マスコミ向けのフォトセッション会場へと移動。山﨑は先ほど受け取ったトロフィーの重みを感じながらカメラの前に立ち、1つ1つのカメラに丁寧にポーズを向けて撮影に応じた。
その後行われた本編上映では、終わった瞬間に観客から割れんばかりの拍手が巻き起こった。現地の観客からは、「1作目では親友を亡くしたということでとってもナイーブな所があった少年が、4作目になると目指すべきものが分かっていて、仲間がいて仲間を守らなきゃいけないという強い意志を感じて信としても今作が1番魅力的だったんじゃないかなと思いました。(女性客)」「アクションシーンが本当に最高だった!今まで観たことがなかったけど今回4作目で初めて観て、あまりにも映画がよかったから今までのシリーズ作も観たいと思ったし、山﨑さんが7年間かけてこの作品に挑んできたということを聞いてより一層信の成長過程というものを観たいと思いました。(女性客)」といった感想が寄せられた。
感動と熱気に包まれている場内に、主演・信役を務めた山﨑と本作のプロデューサーである松橋が登壇すると会場内のボルテージは最高潮に。そして、そのまま司会のKaren Severns(キャレン・セバンズ/NYAFFプログラマー)と現地の観客からの Q&A が実施された。「世界中で愛される信の魅力は何だと思いますか?」とMCからの質問に、山﨑は「まっすぐでウソがない、気持ちのいい人間だからかなと思います。信からまっすぐな部分や気持ちに影響を受けて自分もそうでありたいと思っていたので、観ていただいた皆さんも信のまっすぐさに心動かされているのかなと思います。」と、7年間信を演じてきた山﨑ならではの回答をしました。その後も「王騎将軍の矛と、『ベスト・フロム・ザ・イースト賞』のトロフィーどちらが重いですか?」という観客からの質問には、「王騎将軍の矛の方が重いです!」と、笑いながらも多くの観客からの質問に応え、朗らかにQ&Aが終了した。
最後に、イベントの感想について山﨑は、「ニューヨークの皆さんが温かく迎えてくれたので、すごく楽しかったです。日本ではなかなか聞かれないような角度の質問も多くて、また違った角度で自分の中でも『キングダム』の魅力を伝えられたかなと思います。ニューヨークの皆さんに観てもらえてすごく嬉しかったです」と話し、ここまで約7年駆け抜けた『キングダム』への熱い思いを想起しながら、初めてのニューヨークでの思い出となった本イベントを振り返った。そして、「キングダムは最高に面白いのでニューヨークの皆さんに今日観ていただいて、もっともっとキングダムの面白さが広がっていったらいいなと思います」と今後もアジアやニューヨークをはじめとして世界各国で愛されていくことを願いながら、「これだけ心震わされて熱くなれる作品なので是非映画館の大スクリーンで観てほしいし、日本のエンターテインメントの最高峰だと思うので、シンプルに映画館に楽しみにきていただけたらいいなと思います!」と話し、さらなる大ヒットへ向けてのあふれる思いを意気込んだ。