アニメ『ザ・ファブル』視聴者の間で悪役・宇津帆の株が“うなぎ登り” 実は、明でさえ〇〇できなかった?「どんどん格が上がってく」

2024.8.21 19:00

毎週土曜24時55分より日本テレビ系にて順次全国放送中のTVアニメ『ザ・ファブル』。8月17日の第19話『ウソと嘘…。』では、これまで謎に包まれていた“洋子の過去”が垣間見えたほか、ついに明が宇津帆と対面。かつて自身がターゲットにしたものの、始末する前に行方不明となった相手であることが判明する──。最強の殺し屋“ファブル”から逃げ切った男・宇津帆に対し、SNSでは「ファブルから逃がれて行方不明になった宇津帆玲は強者なのか…?」「本当にきな臭い」「どんどん宇津帆の格が上がってくし対決楽しみすぎるな~」と、敵ながらその実力を評価。また、声を担当する藤真秀の魅惑的な低音ボイスも相まって、「極悪人なのに脳がバグる」という声も。宇津帆の株が、まさにうなぎ登りで上がっている。

(以下、アニメ最新話までのネタバレを含みます)

◆「大好きだった…」 洋子の“悲しい過去”が徐々に明らかに──

「ねぇ──。サンタクロース知ってるでしょ?」。オクトパスに戻るなり、岬が尋ねてきた。明は当然のように「いや知り合いじゃない──。会った事もないし──…」と素直すぎる返答。岬も普段通り、私も会ったことないから大丈夫だと気を遣う──。

社長の田高田によると、前に明がチラシの絵を担当した“動物と触れ合うイベント”の主催者が「今年のクリスマスイベントの絵は、ぜひあの絵で!」と依頼してきたそうで、明にサンタやトナカイの絵を任せたいという。明はトナカイを見たこともなければ、枕元にプレゼントが置いてあったこともないが「自分の絵でいいならぜひやってみたい──です!」と口元を緩める。さらに、これがうまくいけば時給も100円アップしてもらえるとのこと。“時給900円男”の明にとって、またとないチャンスだった。

さっそくパソコンでサンタクロースの姿を確認する。赤と白の衣装に、黒の手袋。そのカラーリングはまるでブラジルサンゴヘビみたいだなと、明は思った。

自宅でサンタの絵を描いてみるがうまくいかない様子 明にとっては“夜な夜な子どもたちにプレゼントを勝手に配りまくるじいさん”という印象だった

サンタのじいさんに関する情報を少しでも集めたい──。なかなか納得のいく絵が描けない明は夜、洋子の部屋を訪れる。相変わらずの酒浸りだったが、「お前の家にサンタは来たのか──?」と尋ねると、洋子はロックグラスを傾けながら自身の思い出を語り始めた。

「来たわよ〜毎年ちゃんと──。朝起きたら枕元にプレゼント…。“サンタクロースより”ってね!でも実はアタシ──5歳の頃には…」

“記憶力”のいい洋子は、なんでも知恵の回る子どもだった。サンタについても“思うところ”があったようだが、親を気遣い、“楽しいクリスマス”を過ごしていたようだ。「プレゼントは何もらったんや?」「10歳の最後のクリスマスは、熊のぬいぐるみだった──。ひとりっ子だったからね──。それを夜に抱いて寝てたって……火事でそれも焼けたけど〜…」。伏し目がちに語る洋子を見て、明は言葉を詰まらせた。

“両親を思い出してしまった”と怒る洋子。「アンタはどうなのよ〜〜。サンタの思い出──」と質問を返すが、気づいた頃には“ボス”が育ての親だった明は親の顔すら覚えていない。クリスマスやサンタについても、かなり大きくなってから知った程度だった。「逆にサンタって変わったオッサンがいるもんだ…って信じてたくらいだ──…」「それも悲惨ねぇ…」。

そのうち、洋子は膝を抱え、顔をうずめた。「お父さんもお母さんも…大好きだった…」。縮こまった肩が小刻みに震えていた──

両親を思い出して涙を流す洋子は、「酒飲めよ!付き合えよ!」と明にせがむのだった

◆ファブルから“逃げ切った”男

翌日、明はオクトパスの配達でとあるマンションを訪れた。トビラの看板には小さく『太平興信所』と書かれている。チャイムを鳴らすと、身なりを整えた中年の男が出迎えた。いかにもデキそうな、いかにも真面目そうなその男をひと目見た時、不意に“4年前の事件”が明の脳裏をかすめる……が、顔には出さない。それよりも気になるのは部屋の奥──そこには、車椅子に乗った佐羽ヒナコの姿があった。

2人が顔見知りであることを察した中年の男は、明をリビングへと招き入れる。男は以前、“ヒナコの兄”が「彼女に近づくな」と蹴りを見舞った相手が明だったことに驚きながらも、彼女の足を気遣ってくれたことに触れる。「これも時代かな。本当に善意があっても周りからは偽善と受け取られがちだ」。“変態”と言われながらも、怪我をしそうな人に手を差し出すその行動を「それでいいんだよ──」と肯定し、こう続けた。「本当にできるヤツは──誰に何を言われてもやり切る──」

──明が帰った後、男は独り言の様に、あるいはヒナコに話しかけるようにつぶやいた。「こっちから仕掛けているとはいえ──オモシロイな!」。男の名は、宇津帆玲。少し前に、とある“芸能プロダクションの名刺”をヒナコに指示してオクトパスへ発注。今日、明が届けに来た品がそれだった。自身が“標的”とする貝沼と、彼を脅すための材料になる岬…。彼らのことを考えると、宇津帆は思わずニヤけてしまう。「貝沼にミサキ──。オクトパスの2人が──もし同時に失踪したとしたら──…。あの男はどう思うだろうなぁ〜〜」

宇津帆の策略を明は知らず、宇津帆もまた明がファブルであることを知らない──

夜、真黒住宅──。料理中の洋子に、明は「4年前の佐羽ヒナコ絡みの事件やが──…」と前置きもなく話し始めた。4年前の事件──“仕事中”の明がヒナコと遭遇するきっかけとなった一連の事件…。当時ターゲットは3人だったが、実はそのうちの1人が行方不明になっており、それが今日“目の前”に現れたという。

「宇津帆って名前で、この町で興信所をしてる。佐羽ヒナコに…行方不明だった宇津帆──、そしてヒナコの兄という俺を蹴った男…。変な取り合わせや──」

──…一方その頃、宇津帆は鈴木と合流。酒とタバコを嗜(たしな)みながら計画の進捗を確かめていた。「偶然も重なり、いい流れだ──。だがこういう妙に流れのいい時は慎重になった方がいい──」。ふと、鈴木が尋ねる。「アンタなんで、ファブルってあだ名を知ってる?」。その名は、裏の世界でも都市伝説扱い。狙われたら最後、確実にヤられるのが常のはず…。だが「確実じゃあない──。生き延びたヤツもいる──」。そう言うと宇津帆は「例えば、俺がそうだ──」と続け、次のタバコに火をつけた。

「4〜5年前、売春組織を作ってた──。ロリコンを相手にした少女売春だ──。基本的には家出少女だが、必要なら誘拐もした──。生業上──あちこちで恨みを買うワケだが──4年前の6月10日…。忘れもしねぇ──。まず幹部の一人がやられた。ソイツは銃をぬいてたが──撃った形跡がなかった──…。首を刃物でひと切りだった──。とりあえず死体から銃を取ってトンズラしたよ。その10日後にまた一人──…。同じように首を切られた後、駐車場からダイブ。その助手席にいたのがヒナだよ」

ヒナコの“脚”は、その時の事故が原因。家出少女だった彼女に、川平健二という男が売春の脅しをかけていた。彼女はその時、“殺し屋”を見たのかそれとも…。1年ほどして宇津帆が接触した時、彼女は「覚えてない」の一点張りだったという。「そりゃショックで何も覚えてないんだろう」。返す鈴木に、「いや…!」と宇津帆。

「殺し屋の報復を恐れたのさ〜。事故の後すぐ──ヒナの両親を俺が殺したからな〜。そりゃビビるわなぁ〜〜」

ニヤリと笑うその顔を、鈴木はただじっと見ていた。「酔ったな──しゃべりすぎた」。席を立った宇津帆は思い出したようにこう言った。「あ!そう──。その殺し屋の話だが──。俺の勘じゃ──そいつがファブルだよ!」

宇津帆の話を聞く鈴木 2人は仕事上の相棒だが、その思惑にはどこかズレを感じることも…
そうして宇津帆は標的である貝沼に接触…「清水岬さんをご存知ですね」と静かに詰め寄っていく(画像は第18話より引用)

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画像提供:©︎南勝久・講談社/アニメ「ザ・ファブル」製作委員会

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