【先週読まれた人気記事】アニメ『ザ・ファブル』〈宇津帆編〉佐羽ヒナコの隠れた本心?声優陣が明かす“100点の役作り”「希望を見つけた瞬間を大事に」【興津和幸&安済知佳インタビュー』

2024.8.31 11:45

無敵の殺しの天才・通称“ファブル”が、組織のボスから受けた「1年間誰も殺してはならない」という命令により“普通の生活”を送ろうと奮闘するTVアニメ『ザ・ファブル』。2024年4月より日本テレビ系にて順次全国での放送を開始し、7月からは第2クールへ突入。原作の中でも“一番泣ける”と人気のエピソード<宇津帆編>が描かれていく。entaxではこの度、主人公・佐藤明役の興津和幸(おきつ かずゆき)、そして<宇津帆編>のヒロインである佐羽ヒナコを演じる安済知佳(あんざい ちか)に単独インタビュー。数奇な運命に翻弄(ほんろう)されていくヒナコがどんな思いを抱き、どう明と関わっていくのか、演じ手の目線からその魅力を語ってもらった。

<宇津帆編>あらすじ
明たちが暮らす太平市の、とある興信所。所長を務める宇津帆玲は、表の顔こそ地域から信頼される人格者だが、裏の顔は弱者から徹底的に金を搾り取る“悪魔”だった…。そんな宇津帆の下で事務員兼秘書として働くのが、車椅子の女性・ヒナコ。実は4年前、彼女は明の“殺し屋としての仕事現場”に遭遇。時を経て、今度は“休業中”の明と偶然の再会を果たすこととなる──。

明とヒナコ(第20話より)

興津和幸(明役)と安済知佳(ヒナコ役)
興津和幸(明役)と安済知佳(ヒナコ役)

◆暗い過去を持ちながら決して諦めない… 安済知佳が語る“ヒナコの魅力”

──安済さんに伺います。佐羽ヒナコは複雑な過去や心境を持ったキャラクターだと思いますが、役作りはどのように?

安済 まず、オーディションでいただいた資料に演じるシーンの漫画の抜粋が載っていて、それが「鉄棒で立つ練習をしていて、明と出会うシーン」と、「その後心配して電話をかけたらジャッカルに笑ってて、話聞けよ!」って、緊迫してる側と“ゆるゆる”側っていう…(笑)。

興津 あそこね(笑) 不思議な空気の漂うシーンですよね。

安済 すごくシーソーみたいなバランスのシーンなんですよね。あとは終盤の緊迫したシーンだったりが載っていたんですけど、それこそ、ジャッカルのところとか、“温度差”がすごすぎて…『なんだ、この作品は?』と思いました(笑)

興津 そこだけ見るとね(笑)

安済 そうなんですよ!でも、絵は全部大真面目というか、シリアスに感じますし。その時に初めて「──(罫線)」を見て『これは何を表したくてこの線なんだろう』ってすごく考えて、『(原作を)読まなきゃ!』と一気に読み、それでヒナコは諦めていない子なんだなと思いました。

公園でリハビリをするヒナコが初めて明と出会ったシーン(第17話より)

安済 立つ練習をしていたところもそうですけど、絶望の中に身を置きながらも何かを手繰り寄せようと、少しずつ少しずつ頑張っている子なんだなって思ったんです。“過去のこと”とかもあるけれど、全て乗り越えて、強くある自分を幸せにしていく、みたいな。自分が幸せになるための通過点として、いろんな課題がいっぱいあるので、そこを少しずつ少しずつ彼女はこなしていってるんだろうなって思ったので、ここはこうかな、ああかなって、その試練を考えたり、佐藤との出会いによってまた新しい考えや一つの希望を見つけた瞬間というのを大事にしていきたいなと感じました。

安済 ヒナコはすごく絶望を味わったりしてますし、特殊な経験を積つまざるを得なかった境遇ですけど、一応“一般人ポジ”と言いますか、視聴者の方々が感覚のわかりやすいキャラクタターだなと思うので、見てくれる方々に応援してもらえるといいなと思って、役を作っていったと思います。
──そんな安済さんのヒナコの演技を間近で見て、興津さんはいかがでしたか?
興津 あ、もう100点です、100点!(笑)あーだこーだ、何もいうこともないし、ストレートに『ヒナコだ!ヒナコがいる!』って、そういう印象でした。だから100点です!

安済 うれしいです!そんなに溶け込めていたんだって…。原作を読ませていただいたときに、私の中で声の想像が全くできなくて、先生の「──」をつけるセリフの書き方も相まって、結構苦戦したんです。だけど、アニメ(興津さんたちの演技)を見させてもらって『あ、そうなんだ!確かにこれだ』っていうのが、感動するほどのフィット感だったんですよね。得体の知れない、でもどこにでもいそうで、でもいなさそうなあの雰囲気と言いますか。そんな興津さんに、全然入り込めてるって言っていただけたので…とても嬉しいです!

明と会うたびについ突っかかってしまうヒナコ その胸の内とは…(第19話より)

◆興津「変えようとしたら“逃げた”んです」 演じ手の想像を超えてくる“佐藤明”

──安済さんから見て、実際のアフレコ現場はいかがですか?

安済 『本物だ!』『すごい!みなさんすごい!』と視聴者のように感動しておりました。役によって違う関西弁のみなさんの作り込み方が、勉強になりました。しかも関西出身の方が多いんですけど、その中でも地域差があって、それをうまい具合にアジャストしていくのが、『あ、プロだ』って。『これが関西弁のプロたち!』って(笑)

興津 いつの間にか関西弁のプロたちがいっぱい生まれてる(笑)

もともと東京にいた明は妹・洋子とともに大阪へ おでこをトントンするルーティンで“関西弁スイッチ”を入れていた(第1話より)

──前回のインタビューでも「関西弁警察が現場にいっぱいいる」と仰っていましたね
興津 いっぱいいるんですよ!『うちの地域はこうだった』『いや、うちはこうだ!』って。まぁだからこそ関西弁を監修してくださる人を一人立てていただいているのはとてもありがたく、助かっております。軸にできるので。ほんと好き勝手しゃべり始めるんで、関西人(笑)

“ぺ・ダイヨチャ”こと河合ユウキ 演じる梶裕貴の関西弁はSNSでも話題に(第16話より)

真黒組・小島(右)の声を担当する津田健次郎は自身も大阪出身だ(第7話より)

──一方で、1クール目が終わり、明にも“人間としての普通な部分”が芽生えてきたように感じます。興津さん自身は演技の上で変化させたところはありますか?


興津 あのー…、実は変えようとしたんです(笑)。でも、変えようとしたら明が逃げていって、変えようとしちゃだめなんだっていうことに最近気づきました。

興津 明はこれまで“プロの殺し屋”としていたんですけども、太平市でいろんなことが起こることで、今まで考えたこともないことを考えるようになって、でもその考えてる答えがなんなのかっていうのは明が出せていなくて…。出せていないから、言葉として明は発していないんですよ。その言葉として発していない部分をどう表現したらいいんだろうって思って演じていたんですけど、それをすると、明じゃなくなっちゃう。

興津 だから、1クール目が始まる前の取材では「明ってよくわかんないやつなんですよ」ってよくお答えしてたんですけど、その1クール目の時はわかってるつもりだったのに、第2クールになって明が揺らぎ始めると(自分も)わかんなくなったから、『あぁ不思議だな、面白いな』って思いました。明ってすごく不思議なキャラクターだって思ってたけど、想像を超えてはるかに不思議なキャラでしたね(笑)。

“普通の生活”を通して多くの人と関わっていく明 第2クールは柔和な表情も増えた印象を受ける(第17話より)

興津和幸(明役)と安済知佳(ヒナコ役)
インタビュー後の1枚 明の“おでこトントン”を実演してくれた

【興津和幸(おきつ かずゆき)Profile】
兵庫県淡路島出身。ケッケコーポレーション所属。『ジョジョの奇妙な冒険』(ジョナサン・ジョースター)をはじめ、『ハイキュー!!』(大将優)、『アイドリッシュセブン』(大神万理)、『炎炎ノ消防隊』(カリム・フラム)、『Dr.STONE NEW WORLD』(モズ)、『夜桜さんちの大作戦』(夜桜辛三)など、数々の人気作に出演。

【安済知佳(あんざい ちか)Profile】
福井県出身。エイベックス・ピクチャーズ所属。『響け!!ユーフォニアム』(高坂麗奈)、『リコリス・リコイル』(錦木千束)、『デリコズ・ナーサリー』(テオドール・クラシコ)、『Re:ゼロから始める異世界生活 』(シリウス・ロマネコンティ)など、多数作品に出演。『終末トレインどこへ行く?』(千倉静留)では、興津とも共演。

『ザ・ファブル』
2024年4月6日(土)より日本テレビ系にて順次全国放送(※ディズニープラスで全話見放題 独占)。南勝久による原作漫画は累計発行部数2,500万部を記録。2019年と2021年には岡田准一による実写映画化でも話題に。アニメでは興津和幸、沢城みゆき、花澤香菜、大塚明夫、津田健次郎、小村哲生、福島潤など豪華キャスト陣がキャラクターボイスを担当。<宇津帆編>では藤真秀、安済知佳、子安武人らも参加し、本作をより盛り上げていく。

画像提供:©︎南勝久・講談社/アニメ「ザ・ファブル」製作委員会
写真:©entax
興津和幸さんヘアメイク:村松直美
安済知佳さんヘアメイク:上田忍(S☆mode)
安済知佳さんスタイリスト:津野真吾(impiger)
衣装協力(安済知佳さん):VACANCY、VANNIE U

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