〈最終回間近〉アニメ『ザ・ファブル』 ついに宇津帆との戦いが決着!“悪”を貫き通した最期に視聴者から称賛の声「本当に魅力的」
2024.9.26 18:15◆SNSでも話題 宇津帆が見せた“悪”としての流儀
「かなり古いタイプやな──」。ヒナコの足元を掘ってみると、旧ソ連時代の地雷が姿を現した。ペダル式になっており、おそらく30〜40kg圧以下で爆発する。30年も埋めっぱなしの地雷は土の中で火薬が酸化して爆発しないというが、50年経っても爆発した例はいくつもある──。「爆発を前提に考えよう──」。明は“いつも”のように、おでこのあたりをトントンと叩(たた)くと、宇津帆たちが用意していたショベルカーに目をやった。
明の作戦はこうだ──。まず、ショベルカーで地雷の後ろを深く掘り、爆風を少しでも逃せるよう整える。次に、土をすくうバケット部分を地雷とヒナコの足に被せるように下ろしていく。「あと2センチ──…あと1センチ──…」。地雷を踏んでいる足と逆の足には、宇津帆が着ていた防弾チョッキを巻いておく。きっと爆片から守ってくれるだろう。最後は、ヒナコの足を明が地雷の上から引き剥がすと同時に、鈴木がショベルカーを10cm前進させつつバケット部分を下ろす。爆発をショベルカーで受け止めつつ、ヒナコの体自体を遠ざける作戦だ。
「佐藤──アタシ…、4年前も助けてもらった…。
あの時…、事故で足がこうなったのは──佐藤のせいじゃない! もしこれで足を失っても…」
「大丈夫──! 前にも言ったやろ。
半年もすれば、その足で散歩してるだろうよ──」
「3──、2──、1──…!」。明の合図の直後、大きな爆発音とともに一部の地面が弾け飛んだ。やがて爆風が止み、視界が晴れ始めた頃、鈴木はヒナコたちの元へと急ぐ…。仰向けに倒れた2人──見ると、明が小さく手を振っていた。「ヒナ…、その足……」
爆発の影響か、ヒナコの左靴の先からは小さな煙がくすぶっていた。靴底は少し溶け、形を変えていたが、それだけだった──。「佐藤のスピードでなきゃ、足が飛んでたな…」「佐藤のおかげよ! 足は無事──!」。安心する鈴木とヒナコをよそに、明は不思議と起き上がらない。どうやら宇津帆が手榴弾を落とした時、その爆片が背中に刺さり出血していたが、そのままヒナコの救出を急いだようだ。
──そんな中、「負けたよ…ファブル──」と、一連の騒動を見ていた宇津帆がひとり笑みを浮かべる。「ファブルという毒は──ヒナには薬になった──。まさかヒナが立てたとは…」。言いながら、宇津帆はあろうことかまた手榴弾を取り出し、明たちへ放った。すると今度は、鈴木の銃弾が宇津帆の眉間を撃ち抜く。かたや、明は静観していた。転がった手榴弾は、安全ピンが刺さったまま。宇津帆は、自分が撃たれるように仕向けたのだった…。
「この人はいつも備えてた──。
自分の最期のことも──…。悪として──……」