役所広司「参加できたことを誇りに思う」と感無量!10/3(水)実施『八犬伝』ジャパンプレミアレポート
2024.10.7 13:4510月25日(金)より全国ロードショー予定の映画『八犬伝』。10月3日に実施されたジャパンプレミアにて、主演の役所広司を始め総勢17名のキャスト・監督が一堂に会し、レッドカーペットイベントと舞台挨拶に登壇した。
開催日である10月3日は、映画『八犬伝』がクランクインした記念日。曽利監督が本作の脚本を書き上げた8月20日は、滝沢馬琴が「八犬伝」を書き上げた日と同じということもあり、何かと縁を感じさせる日程での実施となった。
この日はイベント直前まであいにくの雨模様。本番中に雨が降らないかと心配されていたが、直前になるとすっかり雨もあがり、イベント日和に。そんな中、レッドカーペットの沿道周辺にはおよそ200人の観客が集まるなど、会場には早くも熱気が充満していた。そこに豪華キャスト陣が次々と登場すると沿道からは大きな歓声が。キャスト陣はそれぞれに沿道の観客からの握手や写真撮影などに応じるなど、ファンとのつかの間の交流を楽しんだ。そして最後に役所がレッドカーペットに登場すると会場の興奮は最高潮となった。
日本橋に敷き詰められたレッドカーペットに17人のキャスト・監督が勢ぞろいした様子はまさに圧巻。そんな豪華キャスト陣を代表し、主人公の滝沢馬琴を演じた役所が語る「僕は晴れ男です。だからなんとか(天気が)もったんだと思います」と冗談めかしたその言葉にドッと沸いた観客。さらに「撮影してからもう2年近くたちますが、その間、監督が仕上げ作業を丁寧にやってくれました、すばらしい映像ができています。ぜひ大きなスクリーンと大音響で観てください」と大勢の観客に呼びかけた。
馬琴の友人にして人気絵師の葛飾北斎を演じた内野も、「『八犬伝』を書いた滝沢馬琴さんが、実は北斎の絵に影響を受けていたという話は、私もまったく知らなかったんですが、今回、役所さん演じる馬琴さんに対してちょっぴり意地悪をするような、おもしろい北斎を演じていますので、公開したらぜひ楽しみにしてください」とコメント。そして最後に、里見家にかけられた呪いを解こうと奮闘する伏姫役の土屋が、「時代を超えて愛された『八犬伝』の物語と、最新の技術とのマリアージュによって生まれたこの刺激的な作品が、おそらく馬琴さん、北斎さんが通ったであろう日本橋で、世界の未来へ届くのかなと思うと胸がいっぱいです。江戸時代から変わらない同じ空の下で、こうして皆さんと一緒にいられることを本当に幸せに思っております」と付け加えた。
続いて、TOHOシネマズ 日本橋に会場を移して映画上映後に舞台あいさつを実施。映画を鑑賞したばかりの観客の大きな拍手に包まれる中、あらためてステージに登壇した豪華キャスト陣。その様子に笑顔を見せた役所は、「曽利監督が小学校の頃に、NHKの(連続人形劇)『新八犬伝』を観てからずっと『八犬伝』の世界が好きで。映画監督になられた頃から、これまでずっと『八犬伝』を映画にしたいと思ってこられて、それが実現しこの作品に参加できたことをとても誇りに思います」とあいさつ。さらに「監督は小学校の頃に『八犬伝』に感動されたわけで、監督は当時も七三分けだったのかもしれませんね(笑)。とにかく本当に少年のような心を持った監督で、【虚】と【実】の世界が交錯する映像は、曽利さんならではの映像になっています。今月の25日に公開なので、どうぞ応援してください」と呼びかけた。
続く内野は、「役所さんとはほぼ初めてご一緒することになりましたが、とても楽しい現場にいさせていただきました。馬琴が部屋に閉じこもって作品を創っているのに対して、北斎はいろいろなところを歩き回って、馬琴の書斎の中に風を持ち込むような存在でいてほしいと、監督からは言われました。なんとかおじいちゃんを演じましたがいかがでしたか?」と尋ねると、客席からは大きな拍手が。さらに「役所さんもおっしゃっていましたが、情熱家の曽利さんとのお仕事はいつも興奮してやらせていただいてきました」と付け加えた。
さらに土屋は「皆さんご存知の通り、『八犬伝』は伏姫がいないと始まらないし、終わりません。伏姫はずっと演じてみたかった憧れの役だったので、今日こうして皆さんとお会いすることができて光栄です」と感激した様子。
八犬士のリーダー・犬塚信乃を演じた渡邊は、「僕らは【虚】のパートということで、すごくVFXが多い中で撮影をしていて。本当に2年越しになるんですが、ようやく皆さんにお届けできたという喜びに、今日は浸りたいと思います。本当に監督にはおつかれさまでした、と言いたいです」と語るや、曽利監督にあらためて感謝の言葉を述べるひと幕も。続く八犬士・犬川荘助役の鈴木は、「今日は本当に幸せですね。今日は(撮影から)2年ぶりですが、こんな豪華キャストの中で、皆さんの前に自分も立たせていただくことができて。今日この作品を届けることができて、幸せをかみ締めております」としみじみとコメント。
八犬士・犬坂毛野役の板垣は、「これだけのキャストの方がこの世界をどうつくられていくのかがすごく楽しみでしたし、やはりVFXが多かったので、演じている我々も分からない部分が多かった。ですから演じていて、新感覚のエンターテインメントを観たなという感じがしていて。きっと今ご覧になって、そういう風に思われた方も多かったのではないかと思いますが、やはりこの作品が広く世界にまで届いたらいいなと思っております」と晴れやかな表情。そして八犬士・犬飼現八役の水上も、「私事で恐縮ですが、水上恒司になってから初めての作品がこの作品でした。その作品が世に放たれていくということがすごくうれしいですし、この錚々たるメンバーの中でご一緒することができたことをとてもうれしく思っております」と続けた。
さらに八犬士・犬村大角役の松岡が「この作品を観て、私たちの生活に物語、フィクションがいかに大切なのか、ということを非常に感じました。このフィクションが誰かの救いになったらいいなと思っております」と語ると、八犬士・犬田小文吾役の佳久も、「台本を読ませていただいた時に、本当におもしろい作品だなと思って。この作品が映像化したときにどんな映像になるんだろうと、とてもワクワクしながら試写で観させていただいたんですが、公開が本当に楽しみになりました。もっともっとたくさんの人に観てもらいたいと思うので、どうぞよろしくお願いします」と呼びかけた。
また八犬士・犬江親兵衛役の藤岡が、「僕は八犬士の中でも最年少の役で。僕自身も年齢は一番下として参加させていただきましたが、2年ぶりにあらためて皆さんとお会いして。本当にすごい方たちとご一緒させていただいたんだなと実感して、感謝しています」と語ると、実際に完成した映画について「【虚】のバートはアクションが多かったんですが、【実】のパートは人間くさいドラマがあって。本当に感動してしまって。僕もこの中に入っていたんだなというのがすごくうれしくて。今この場に立てていること、25日から皆さんに観ていただけることもうれしいです」と感激した様子をみせた。
さらに八犬士・犬山道節役の上杉も、「これは本当に壮大なエンターテインメント作品だと思います。この作品を観てどう感じるかは、皆さんによって違うと思いますが、この壮大さは、2024年以降の技術だからこそできたものがたくさん詰まっているなと思っています。それを皆さんにいつ届けられるのかとワクワクしていたので、今日この日を迎えることができて本当にしあわせです」と感慨深い様子。そして、信乃に想いを寄せる浜路役の河合は、「皆さんおっしゃる通り、私も微力ながら参加させていただいて。短い時間の撮影でしたし、グリーンバックも多かったのですが、完成した作品を観たときに、自分たちがやっていたこととは違う【実】のパートの温度感というか、ものすごく重量感があるなと感じて。滝沢馬琴がどういう風に物語を捉えていたのか、という人間のリアリティーと、『八犬伝』のファンタジーの壮大さがこんなにもコントラストがあり、映画としての面白さがあるなと思って。いち観客としても気付くことが多く、うれしく思いました」とコメント。
八犬士の最大の敵・玉梓を演じた栗山は、「これほどまでに振り切って演技ができるのもなかなかないなと思う中で、玉梓を演じるのは楽しくもあり、ありがたくもありの撮影でした。私も“実”のパートのことはなかなか分からずに。どんなことが行われているんだろうと、その空気感、温度感を想像していましたが、できあがった作品を観て、監督が思い描いていたことはそういう事だったんだと思いました」。
馬琴の息子、宗伯を演じた磯村は、「2年前に撮った作品を今日、無事にお届けすることができて非常にうれしく思います。とてもぜいたくな時間をこのキャストの中で過ごさせていただきました。この映画がより広く育まれて、広がっていくのだと考えると非常に楽しみです」と語ると、宗伯の妻・お路を演じた黒木が、「2年前のことなので、撮影のことはあまり覚えていないのですが、初号試写を観させていただいたときに、こんなにも八犬士が戦っているのかと思いましたし、その物語を命がけで書こうとした馬琴さんの思いをより強く感じました。自分も興奮することができましたし、虚と実を皆さんにも楽しんでいただけたら良いかなと思っております」とコメント。
さらに馬琴の妻・お百を演じた寺島は「私は、【実】のパートでお百という、(夫・馬琴に)がなっている役だったんですが、役所さん、内野くん、磯村くん、黒木さんと、とてもコンパクトな人数で、とても凝縮した時間を過ごすことができました。お百は参考文献がなくて、“悪妻と呼ばれた女”という1行しか残っていなかった。だから想像力をふくらませて、どなってるだけでもつまらないし、こうなったのも理由があるのではないかと。常に自問自答しながら取り組みました。この作品が心に残りましたら宣伝をお願いします」と語った。
そして最後に、曽利監督が「役所さんにおっしゃっていただいた通り、『八犬伝』は子どもの頃から大好きで。この世界に入ってからもなんとか映画にできないかなとずっと考えていたんですが、なかなか映画化に進まなくて。そういった時に山田風太郎先生の『八犬伝』という小説を読んで、これがパッと光が差した感じで、もうビビッときました。【虚】と【実】という本当に粋な演出が原作にもありまして。これをなんとか描けないかなというのが次の目的になって、このたび映画として実現しました。まさにこれだけのキャストに演じていただいて、監督冥利に尽きるというか。もうこんなことはないんじゃないかと思うくらいの財産になりました」と晴れやかに締めくくった。
映画『八犬伝』は、10月25日(金)より全国ロードショー。