「死ねばいい」「勝手に1人で産め、1人で育てろ」 信じられない、けれど“ありふれた”家庭内のモラハラ被害に驚き

2024.10.30 11:00

さて、そんな夫婦であったが、離婚の決定打になる事件が起こった。妻の妊娠中、夫にインフルエンザの疑いがあったため、妻が外泊をしたいと提案したという。その際に夫は、「僕はインフルじゃない。問題があるとしたら、あんたの日頃の行いだよ。もう勝手に1人で産め、1人で育てろ」と言って自宅を出ていったとのこと。この事件が最後の引き金となり、妻は夫に対して離婚と、200万円の慰謝料を求めて訴訟。裁判所は夫に対して200万円の慰謝料の支払いを命じた。

裁判例を受け、「特に悪質って判断されるモラハラの言葉はあるんですか?」と聞いた錦鯉・長谷川雅紀。中央大学法学部長の遠藤研一郎氏は、「ほとんどの判決っていうのは、1つ1つの言葉というよりも、モラハラをされていた期間ですとか、あとは常習性といったものですね。これが重要視される傾向にあります」と回答し、言葉そのものよりも、状況や期間がモラハラ認定につながるとした。

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文京湯島法律事務所 代表弁護士 小野章子

また、小野氏からは、裁判所の活用方法についても紹介がなされた。今回番組内で挙げられた事例をはじめ、モラハラなど、さまざま理由によっておこる離婚問題を解決する手段として登場する裁判所。しかし小野氏によると裁判所には、円満調停といった制度もあるという。「別れる前提ではなくって、これから関係性を改善していきたいというご夫婦のための調停員が一緒になって解決策を考えてくれる」ものだといい、夫婦関係が行き詰まった際の、別れる以外の1つの選択肢として提案した。

今回は家庭内での夫→妻の例が紹介されたが、妻→夫、さらに職場や学校での人間関係でも起こりうるモラル・ハラスメント。講義の最後、定義することが難しいハラスメントの本質について、小野氏は、「子どもに、“いじめかいじめじゃないかって、どう考えたらいいのか”“何は言っちゃダメなの”“何はしちゃダメなの”って聞かれた時に、一律の基準って答えられないって皆さん思うと思うんですよね。ハラスメントってみんなこれと一緒なので、ケースバイケース」と補足。そして、一定の基準を設けることがまだ難しいハラスメントへの最も効果的な対策は、何よりも目の前の相手を尊重することと結んだ。

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写真提供:(C)日テレ

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