カズレーザー タコには“観察学習”、イカには“自制心”が存在?海の生物が持つ知性に関した新事実とは

2024.8.7 09:15
MCのカズレーザー

カズレーザーがMCを務める『カズレーザーと学ぶ。』が6日に放送された。今回は『タコとイカの新事実』というテーマ。知性、フィジカル、美容成分、3つの項目でそれぞれ徹底的に分析した。知性のパートではタコ・イカの持つ、軟体生物では突出した頭の良さが垣間見える特性が紹介された。

まずタコについて解説を行ったのは、琉球大学理学部教授池田譲氏。池田氏によると、タコは脳が9つあるともいわれるのだという。その理由は、頭だけではなく8本の腕にも張り巡らされた神経細胞。人間では脳や脊髄を中心に分布する神経細胞が、タコは腕にも多くあり、腕の先で周囲の状況を判断していると考えられているという。また近年の研究で、腕の吸盤には、味を判別できるセンサーが備わっていることも判明したらしく、全方位に腕を伸ばすことで、獲物の所在や、危険地帯を広く探索することができるという。

琉球大学理学部 海洋自然科学科 生物系 教授 池田譲氏

さらに学習能力が高い点もタコの高い知性の特徴として挙げられ、池田氏はある実験を紹介した。タコの入った水槽に、赤白ふたつのボールを入れる。赤いボールに飛びついたらエサを与える。実験を続けると、タコはエサをもらえる方法を学習し、赤いボールに飛びつくようになったという。それだけではなく、別のタコにその実験の様子を見せると、実際に実験に参加したわけではないが、観察して学習し、赤いボールに飛びつくようになったのだという。観察学習は、知能が高いとされるチンパンジーでも難しいものであるため、それができるタコの知性は、やはりずば抜けているとされた。

慶應義塾大学 自然科学研究教育センター 法学部 生物学教室 助教 杉本親要氏

一方、イカについて解説したのは、慶應義塾大学の自然科学研究教育センター助教杉本親要氏。杉本氏によると、イカには人間でも持つことが難しい、“自制心”が備わっている可能性があることが、最新の研究で解明されたという。2021年ケンブリッジ大学で、2つのエサ場が用意され、一方ではすぐにエサが出るが、あまりおいしくない(栄養がない)、もう片方は近づくと一定時間待つ必要はあるが、おいしく栄養価も高いエサが与えられる、という実験が行われた。これをイカにトレーニングすると、最長2分10秒、おいしいエサがもらえるエサ場で待つことができたといい、自制心があるというだけでなく、待てばおいしいエサにありつけるという、未来を予測できる可能性も示されたという。杉本氏によれば、これは無脊椎動物ではイカが初めてのケースとのことだ。

また、イカの知性の表れとして、タコと違い群れで行動するイカには、社会性もあるという。イカの群れを観察すると、見張り役のような行動をする個体がおり、役割分担のようなことをしていることが考えられるという。さらに杉本氏自身が実施した、イカの社会性を調査した研究によれば、群れを観察すると人間社会のように、多くのイカと接触している(近く泳ぐ)社交性の高いイカや、ほとんど他のイカと接触しない、内向的なイカも存在していることが判明したという。さらに、その群れから社交的な個体を除いてみると、本来なら皆でエサを取りに行く場面でソワソワしたり、敵が出てくると異常にビビってしまうという行動が観られたという。このことから、社交性が高い個体は、リーダー的な役割も担っている可能性があるという。加えて、まだ詳細は解明できていないものの、群れの中にいる際、身体を互いに発光させることで、コミュニケーションをとっている可能性もあるのだとか。

今回は海の生物がテーマということで、学生時代にアサリを研究していたという桝太一(一番左)も出演した

杉本氏の解説を聞き、「聞いていいかわかりませんけど、社会性を研究したイカの、あの後ってどうなるんですか?」と質問する桝太一。すると「食べましたよ」と即答され、スタジオがざわついた。さらに杉本氏は「社交的なイカと内向的なイカの味を比べたら、やっぱり社交的なイカの方がおいしかった」と続け、スタジオは大爆笑。こがけん「ちょっと先生、サイコ味があります」、カズレーザー「何をもって、“やっぱり”なんですか」と総ツッコミとなり、さらに大きな笑いが起こった。

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写真提供:(C)日テレ

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