映画『ナミビアの砂漠』大ヒット御礼舞台挨拶「勘だけでは絶対できない領域にいる」主演・河合優実に山中瑶子監督も納得
2024.9.20 14:1517日(火)に、映画『ナミビアの砂漠』大ヒット御礼舞台挨拶が実施され、主演の河合優実、山中瑶子監督が登壇した。
『ナミビアの砂漠』は、19歳という若さで『あみこ』を作り上げ、史上最年少でのベルリン国際映画祭出品を果たした若き天才・山中瑶子が監督を務め、主演はその『あみこ』を観て衝撃を受け、監督に「いつか出演したいです」と直接伝えに行ったという、河合優実。才能あふれる2人の夢のタッグが実現した本作は、今年のカンヌ国際映画祭監督週間でも絶賛され、国際映画批評家連盟賞を受賞。日本での公開後も公開初日より都内を中心に満席回が続出、Filmarks 初日満足度ランキングでは邦画実写1位となるなど、大きな熱狂を呼んでいる。
東京で生きる 21 歳のカナを演じた河合は、公開初日のイベントで「映画はここから旅立つので、祈りながら見守っていきたいです」とコメントを残していたが、そこから今回の大ヒットを受けて「自分の好きな映画館で舞台挨拶(あいさつ)ができて嬉しいです。」とあいさつ。「身近な人や友人が今年見た中でぶっちぎりで好きですと言ってくれました。関係者の方も映画館に観に行ってくれていて、色んな人が楽しみにしていたんだなと実感しました」と大ヒットを喜んだ。
山中監督も「この Bunkamura ル・シネマ 渋谷宮下で上映していただきたいという強い想いで映画を作りました」と続け、満席の観客に向けて「映画を観終わったあと、建物から出て前と後ろを見たらその理由が分かると思います。映画と現実が接続されているんです」とコメント。
主人公カナについて河合は「カナについても(意見が)様々で、取材とか受けてもライターさんとか自分自身と重ねる人もいるし、全くの他者として見る人もいる。こんなに多面的な映画なんだと分かった」と話し、山中監督は「共感できるできないが分かれやすいなと公開してから感じました。そうじゃないところでも楽しんでもらえると思っているので、好きなように観ていただきたい」とアピールした。
「あんのこと」、「ルックバック」と今年3本目の主演映画、どれも全く違う役どころで、しかもどれも大ヒットという状況について河合は「幸せなことだと思います。それぞれの作品で全く違うチャレンジができたのも一番良かったです。私を違う作品で観てくれた方が、毛色の違う作品も観に来てくれているので、参加できて良かった。ほんとに色んな意味で幸せだと思ってます」と感謝を綴った。
20代(主人公カナ)のキャラクターを演じたことについて河合は「これまではどうしても年齢的なことで高校生の役とか多かったですし、下の年齢の役を演じることが多かった。「あんのこと」やカナも含めてですが、これからのことを考えると、その時にしかできない役に出会っていけてるなと思ってます」と振り返った。
「今まで見たことのない河合さんを撮りたかった」と話していた監督。河合さん演じるカナの魅力が、SNSでも話題となっているが、カナという役を作りあげる上で河合は「脚本をいただく前から何度か(監督と)お会いしてお話する機会があって。作品についてではなく、身の回りのこととか、お互いが感じていること、山中監督が映画で描きたいことを話しました。なので、キャラクターについてゼロから話す必要が無いのがすごく良かったです。」と明かし、山中監督は「河合さんとお会いしてこういう映画を作る予定です、とは言わずに、お互いの家族の話とか、東京で今生きている気分・ムードの話をしました。自分一人だと偏ってしまうところですが、友人知人、また全然知らない人など、いろんな人の話をいっぱい聞くことによって、普遍性も得られて多面的なキャラクターになると良いなと思って(脚本を)書いてました」と語る。